『科学技術は日本を救うのか―「第4の価値」を目指して』
(北澤宏一、2010年、ディスカヴァー・トゥエンティワン)
本書は、若者が未来への夢を失くしているというプロローグの問題提起から、日本の経済を再生し、科学技術を用いて「第4の価値」を創造すれば、若者が未来に夢を持てるはずだということが書かれている。
日本の科学技術の水準の話、日本経済の長期停滞の理由(これを筆者は25年に及ぶ国際収支黒字がもたらしているという)、第4の価値の説明、科学技術を用いて地球の環境を守る(主にエネルギー供給の面で)ことができる事、などを解説している。
日本の科学技術の現状がよくわかることや、最新の科学技術の知見を用いた将来のビジョンが分かる点は非常に良いと思うのだが、何故それを若者の夢に結びつけたのか、また、第4の価値がどのように経済的な再生をもたらし、若者に夢を与えるのかがかなずしも明らかではなかったようにも思える。
いずれにしても勉強にはなった。
(2010年11月26日 大学院生)
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
社会科学
- 感想投稿日 : 2010年11月26日
- 読了日 : 2010年11月26日
- 本棚登録日 : 2010年11月26日
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