レビュー by keithewisdomさん
『冷たい方程式』(トム・ゴドウィン他、伊藤典夫、浅倉久志編、1980年、早川書房)
短編SF小説集。
『冷たい方程式』は、刑法の「カルネヤデスの板」の関連で知り、読んでみようと思いました。
ストーリーは、定員以上は乗ってはいけない宇宙船に、宇宙飛行士以外の人(密航者)が紛れ込んでいる。規則では、このような場合、その者を抹殺しなければならない。
そこで、宇宙飛行士はその者を抹殺しようとするのだが、その者は他の星に滞在している兄に会いに行くために宇宙船に乗り込んだ女の子だった――
民主的な国の刑法では、人は殺してはならないと定めている。本書の場合、殺人の違法性が阻却されるのだろう。だが、違法性がないからといって、人を殺すという行為が容易になるわけではない。
そこには葛藤や疑問があるだろう。本書に出てくる宇宙飛行士もその葛藤に悩むこととなる。だが、規則は規則である…
(2009年8月2日)
登録日 : 2009年08月02日 23:23:44


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