宮本輝文学らしく、心に残る言葉が今回の小説にもたくさんありました
読み終わった小説の中にはたくさんの付箋が貼られました
「負けるな、負けるな、あきらめるな。心は巧みなる画師の如し、だ」
「石に一滴一滴と食い込む水の遅い静かな力を持たなければなりません」
「きみは努力することをあきらめなかった。」
書き出したら切りがないほどなのです
そして、宮本輝さんの小説は、本当に文章がきれいで読みやすいです
それなのに、わたしはどうしてもこの小説が好きになれないのです
物語の中で、どうしても腑に落ちないストーリーがあり
また、志乃子を平凡な主婦と書いているけれども
お金持ちの、目利きの親戚がいて、優秀な仕事をする人を紹介されて
自分自身も、天才的な骨董の目利きで、あれよあれよと幸運が訪れる
どこが平凡なんだろうと思う、それはわたしの嫉妬なのかもしれません
まわりの人たちが、善意あるとても素敵な人たちで、志乃子を助けてくれる
そのまわりの人たちの欠点などが、とても人間らしく
わたしには、志乃子だけが、ファンタジーのように思えてしまうのです
こんなに、悪い方に心を揺らされる宮本文学は正直初めてです
何年かたって、もう一度読んだとき、違う思いで読めるかもしれない
志乃子にやさしい視線を向けられるかもしれない そう願っています
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
現代小説(日本)
- 感想投稿日 : 2012年10月10日
- 読了日 : 2012年10月8日
- 本棚登録日 : 2012年10月10日
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