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khoritaさんの本棚 > 死神の精度


レビュー by khoritaさん

 読み終わった  読了日 : 2010年03月16日  4

 伊坂幸太郎の得意とする構成は、短編の連作か、平行世界で出来た長編であり、本作は前者である。

 かなり設定が具体かつ詳細に決まっているため、どのエピソードもぼんやりと見れば相当に似通っている。ともすれば舞台とアイデアを入れ替えているだけとも言える。それでいて読者を飽きさせないのは、ひとえに氏のエンターティナーとしての実力からくるものであろう。

 特徴的なのは、主人公の死神とその他の人物に、常に一定の距離感が保たれていることである。しかも死神の登場人物に対する態度が常に冷めたものであることが挙げられる。これは丁度読者と物語の間の距離と同じく、死神は読者と物語の中点の役割を果たしている。そのため、死神が登場人物に感情移入したり、不測自体に際して正気が揺れる時に、死神と登場人物の距離が縮まり、それによって読者と物語の距離が縮まる、すなわち読者を物語に引き付けることに成功している。 登録日 : 2010年03月16日 13:03:25


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