友人から勧められて読んだものです。
いわくありげな連れ込み宿の子である桜蔵(さくら)が、人ならざるものとの縁を結んでしまう(いろんな意味で)という短編集です。
ほんのりとすべての物語がつながっていて、さくさく読めました。個人的には「骨箱」が好きです。オカルト系は苦手と思っていたのですが、これはそのいわゆる悠連さんたちがとても生身の人間のように書かれていたので、自然に読めました。
全体的な描写がとってもしっとりとした雰囲気を感じさせていて、最初時代小説か?と思ってしまうほどでした。
父親である(血のつながりはない)柾や、店の常連の浜尾などのおっちゃん(?)がいい味出しております。
直接的な話法は無いのですが、ああ、”した”んだな。っていうのが言外に香ってきて、情緒がある感じでした。
長野まゆみ先生の本は本屋で見かけたことはあったのですが、読んだのは初めてです。
勧めてくれた友人曰く「好みが分かれる」とのことでしたが、自分的には嫌いではありません。
もっと、柾や浜尾について突っ込んでくれたらなお楽しかった…とは思いました。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2017年1月26日
- 読了日 : 2017年1月26日
- 本棚登録日 : 2017年1月26日
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