何のために生きるのか。10代の子供のような疑問にぶち当たっている時にこの本を読んだ。
将来に希望はない。もちろん自分自身を大事にしてやることもできない。朝起きて、日銭を稼ぐために部屋を出て時間を切り売りして帰ってくる。生きるためには食べなくてはならないし、食べるため、生きるためには金が要るから金を稼ぐ生活だ。
働くことに夢なんかまったくなくて連鎖する寂しさが嵐のように襲ってきてもそれを素知らぬ顔で乗り越えなくてはならない年齢になってしまっていた自分にとってもっと早くのこの本の、いやこの考え方の存在を知りたかった。
こんなに大切な「カネ」の話なのに、学校では何一つ教えてくれない。家庭でも「話しづらい事」と扱われる。本当は大切で生きるために必要不可欠な話なのに。将来、学校を出たら職業に就くことは幼いころからなんとなく「将来何になる?」と聞かれるのに、働くことの対価である「カネ」の話は世の中ではなかなかされない。もっと話されるべきだ。
ただ、朝出かけて行って、夜にへとへとになって帰ってくるそれだけの生活を送るのに疑問を持った時にこの本を読めてよかったと思いたい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ヤングアダルト
- 感想投稿日 : 2016年3月22日
- 読了日 : 2016年3月22日
- 本棚登録日 : 2016年3月22日
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