一分間だけ (宝島社文庫) (宝島社文庫 C は 2-2)

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  • 宝島社 (2009年6月5日発売)
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女性雑誌の編集者である主人公。ある日ペットショップに仕事に行ったときにゴールデンリトリバー(リラ)と運身的な出会いをする。この犬、売れなかったら殺されてしまうことが決まっていることをペットショップの人から知らされる。物理的にも時間的にもとても買える状態じゃなくても、うちに連れて帰りたくなる。
それはよーくわかる。

だけど時間がたつとリラがいなかったら、こんなに大変じゃなかったのにと意地悪な感情もでてくる。愛犬の頭めがけて本投げて、怪我までさせちゃうんだから人間は勝手だ。

そんな時でもどんな時でも飼い主を信じて、うんとお利口にしているリラがとっても愛おしい。なんて可愛そう。人間の利己的な部分に翻弄されてかわいそうなリラ。
原田さんの本に出てくる女性はカッコイイ人がおおいが、この本は身勝手でイライラする。そんななか、会社の人の理解、動物病院の宮崎先生、タクシーの斉藤さんが優しくってうるうるする。

結局人間は一人では生きていけない。大変なときはみんなお互い様。上司に自分のことを正直に話して、仕事の担当を変えてもらいたいというシーンがあるのだが、突然ギブアップ、さようならする前に自分のことを周りに知ってもらうことはプライベートと仕事を両立するうえで大切なプロセスなんだな。そして大切なものは、いつも近くにありすぎて、見えなくなる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 原田マハ
感想投稿日 : 2015年4月10日
読了日 : 2015年4月10日
本棚登録日 : 2015年4月10日

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