働かざるもの、飢えるべからず。 だれのものでもない社会で、だれもが自由に生きる――社会システム2.0 (サンガ新書) 88人が登録 ★3.75
レビュー by kiiro1237さん
1:99の事を考えながら、自分も長く資本主義の矛盾に荷担していたと気がつきます。
私たちは日々縛られながら生きています。時間に縛られ約束に縛られ、そして言葉に縛られます。この本は、「働く」事に関する自由度を言葉に与えた貴重な一冊。
中に、重要なテーマがいくつか埋め込まれていて、私は6年前にそれらの問題に明確な回答が出ないので物語にして書きました。延命治療の問題や、資本主義の矛盾など、重いテーマだったので知人に感想を聞いてもなかなかストレートには答えてもらえませんでした。当時はまだこんなに行政や政治状況が破綻していなかったので問題の核心が見えなかったのかもしれません。けれど東北震災をへて矛盾の核心が見えてきました。この一冊は矛盾について具体的に教えてくれました。さらにはその回答まで。
少し、進めて考えるなら、「グローバルとローカルで考えよう!」という問題定義にも矛盾があって、この二つの距離感は実は作られています。本書にあるように「誰がどんな助けを必要としてるか国レベルではわかりません」というときは、国が地域にとってのグローバルとなっています。
ソロス氏が「金融市場は非道徳なのではなく、道徳とは無関係」といっています。大きなマーケットの金融は道徳とは無関係にも動く。小さなマーケットは道徳でも左右されるが、そもそも、政教分離の原則を掲げた政治システムには、裁量性はいらない。政治システムが老人や子供や弱者のために働くなら、その弱者が政治サービスを必要とするときは、コミュニュティの小さなマーケットに参加出来てないからで、そこに裁量性を持ち込むには無理がある。現在の行政の矛盾です。
そんなことを、この本は「働かざるもの、飢えるべからず。」というきらりと光るひと言で見事に切り出しています。
レビュー登録日 : 2011年12月29日
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