韓国企業モノづくりの衝撃 ヒュンダイ、サムソン、LG、SKテレコムの現場から (光文社新書)

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  • 光文社 (2002年10月17日発売)
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感想 : 7
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大学時代、「理系学生のためのビジネス基礎講座」を開催してた。
その時の講師で、「師匠」と仰いだ中嶋さんが当時推薦してくれた本のリストがある。

それがたまたま「本を読もう」と思い始めたタイミングで出てきた。
で、「時間かかるかもだけどいつか全部読んでやる本リスト」に入れてある。

<本の紹介>
1997年、高度経済成長の真っ直中にあった韓国は、ウォンの急落をきっかけに国家破綻寸前の通貨危機に見舞われ、IMF(国際通貨基金)の支援を仰ぐ事態に陥った。あれから五年、韓国は携帯電話や自動車、プラズマテレビといった国家的な戦略製品をきっかけに奇跡的なV字回復を成し遂げていた―本書は、ヒュンダイ自動車、サムスン電子、LG電子、SKテレコムといった韓国を代表する企業のモノづくりの現場を、『トヨタとホンダ』の著書で知られる塚本潔が、日本人ジャーナリストとしてはじめて密着リポート。現場に携わる者たちの肉声から、技術力に裏打ちされたパワーの源泉を浮き彫りにする。

韓国の人たちのことは、個人的には日韓W杯の時以外は好きです。知り合いもいい人ばっかだし。歴史的に気まずいこととかいろいろあるかもだけど、同年代で話しててそんなに価値観に違和感ないし同じアジア出身って意味じゃ変わらない。

でも、この本読んで「国としてどうしたい」って思いが明確に企業に伝わって、「みんなでどうにかしていこう」ってしてる韓国にうらやましいなって思う部分もありました。通貨危機で瀕死の重傷を負ったことは確かだけど、それを逆手に取って「肉を切らせて骨を断つ」的な戦略がうまくいっていたり、日本のエリート企業を退職した技術者を顧問として招いて技術をどんどん学んでたり、そういった姿勢は学ぶべきところもあるし、その決断をした誰かと、その決断をみんなで支持して尊重しながら進んでく、そういった上層部の指導力は今のこの国にあんまり感じられない(俺だけなのかな・・・)から、多分近いうちに韓国にも中国にも日本は抜かれると思う。

どんどん賃金格差は国際競争を経てなくなっていって、日本のサラリーマンの平均年収は業種別に異なるだろうけど、半分くらいにはなるんじゃないか。そうなった時に、自分たちは今と同じことをしていたら今の生活レベルを下げざるを得ない。だから、そう遠くない未来の為に、まだ余力のあるうちに何をしておくのかってのは大事だなと思いました。

もっかい、中嶋さんに弟子入りしようかな。笑
なんて、大学時代の講座のタイトルだけ見てもすごいことしてたよなーって思いました。この講座でどれだけ当時の1大学生は視野が広げられたろう。思い出してみるのも悪くないなと思ったりしました。

「就職のための必勝カバーレター講座」
「就職のための必勝プレゼンテーション講座」
「ビジネス・エリートの情報収集方法」
「21世紀の企業環境と学内起業」
「企業経営とIT」
「企業経営と知的財産権」
「企業経営と企業人教育」
「スウェーデンからの帰国記念講演 「日本とスウェーデンの社会制度比較」」
「地域経済と国家経営」
「国家経営分析」
「国際競争力分析」
「アジアベンチマーキングの企業経営分析」
「アジアベンチマーキングの国家経営分析」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 知的好奇心
感想投稿日 : 2010年5月10日
読了日 : 2009年1月22日
本棚登録日 : 2010年5月10日

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