原色の街・驟雨 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1966年10月24日発売)
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本棚登録 : 800
感想 : 60
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吉行淳之介は『夕暮れまで』だけしか読んだことがなく、しかしその作品の印象がなかなか良くて気になっていた。
そこで、吉行の娼婦物を中心に読んでみることにした。


・「原色の街」

気に入るということは、愛することとは別のことである。気に入るということは、はるかに微温的なことだ。

・「驟雨」

その女を、彼は気に入っていた。気に入る、ということは愛するとは別のことだ。愛することは、この世の中に自分の分身を一つ持つことだ。それは、自分自身にたいしての顧慮が倍になることである。そこに愛情の鮮烈さもあるだろうが、わずらわしさが倍になることとしてそれから故意に身を避けているうちに、胸のときめくという感情は彼と疎遠なものになって行った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本小説
感想投稿日 : 2012年1月27日
読了日 : 2012年1月27日
本棚登録日 : 2012年1月26日

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