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レビュー by きものコンシェルジュさん
<b>■悉皆の誇りと着物への愛情に満ちた男の半生</b><br>大正時代の東京の悉皆屋の手代、康吉。生まれも育ちも、なぜそこで働いているのかも描かれいません。物語は始まりは、ただ、日々一所懸命に、主従関係をわきまえ、悉皆屋で一人前になることを目指す康吉の姿から。悉皆屋は、今風に言い換えれば、着物のプロデューサー兼、作り手のコーディネーターのこと。理由(わけ)あって結婚、我侭ながらも、康吉を支える妻、お喜多と康吉の前の主人である、お喜多の父、番頭の伊助らと人間模様、職人と商人のあり様を、大正末期から昭和初期の政治、文化、風俗を背景に物語が紡ぎだされます。仕事一筋、真面目で骨のある男の姿、夫婦の奇妙な愛情と絆。着物の流行、悉皆屋としての呉服産業への関わり方を、関東大震災、満州事変と時代が刻々と変化する中、康吉の常に、己の、人として、職業人として、夫としての生き方を見つ直す姿が、読後にささやかな感動を残す所以なのかもしれません。【着物好き一般向き】(と)
登録日 : 2006年12月11日 19:33:45


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