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龍樹 (講談社学術文庫)についてのきもけんさんのレビュー


本と珈琲。それにタバコ。»

大学時代、ある教授に自分の背の高さと同じだけの本を大学在学中に読めと言われた。もう到達したかな…あ、もうとっくに時間切れか。

龍樹 (講談社学術文庫) 164人が登録 ★4.00

著者: 中村元 
本 / 講談社 / 464ページ / 2002年06月10日発売

レビュー by きもけんさん

 未設定  未設定  3  登録日: 2004年12月04日

竜樹は大乗仏教の始祖で八宗の祖とも呼ばれているらしい。竜樹は小乗仏教に対して大乗仏教の正当性を主張すべく「中論」を書いた。そして「空(=縁起)」を主張した。つまり、彼の「中論」の大部分は有部(=小乗)に対しての批判(破邪)の書であることになる。そう考えると納得がいく箇所も多いが、そうなると「中論」自身、仏教の「真実」を述べていないのもわかってしまう。有部の論点を批判しているだけで、なんら仏教における「真実」を説明していないからだ。これは縁起論者が特定の意見を持たないことにも影響しているのかもしれない。

ただ、空の箇所は心に残った。「空(=縁起)」というのは、一般に言われてるように「無」ではない。それではニヒリズムになってしまうし、「色即是空」は全てを否定することに、つまりは仏も否定することにつながってしまう。そうではなくて、空とは無自性性を意味するもので、相互依存によってのみ全て(もの、意識)は存在しているという意味に取らなければならない。その相互依存性、差異を竜樹は全てのものへ広げる。つまり、空でさえも空である(空というものですら絶対的なものではなく、不空との相互依存性にのみ成り立っている)と考える。そして、その結果、空というものを説明することはできない。そして、彼ら(縁起論者)は、特定の意見を持たないというのも、上の空の考え方からわかる。 レビュー登録日 : 2004年12月04日


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