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- / ISBN・EAN: 4589921401906
感想・レビュー・書評
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終始、重くて暗いトーンです。当時のソビエト社会を象徴しているような感がします。小説を読んだ時と同じように、連続殺人犯を追い詰めていくと言う側面よりも、当時の暗い世相を描いている部分が多くて、まどろっこしい感じがしました。犯人をもう少し細かく描いてもらいたいと思いました。
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スターリン政権下にある1953年のソ連。9歳から14歳までの子供たちが変死体となって発見される事件が発生する。現場は山間の線路沿いに限定され、全ての被害者は裸で胃が摘出されており、直接の死因は溺死であった。秘密警察の捜査官レオ(トム・ハーディ)は、親友の息子が犠牲となったことから捜査に乗り出すことに。だが、それを契機に元同僚に追われ、妻ライーサ(ノオミ・ラパス)にいわれのない犯罪の容疑が掛けられてしまう。窮地に立たされる状況で、真相をつかもうとする彼だが…。
忽然と姿を消した子供たちの行方を追うミステリーに当時の時代背景がミックスされて新味のある作品になっていますが、ライーサのスパイ容疑は本筋とは関係ないですし、犯人の人物像、犯行動機、対決シーンが呆気ないため、ミステリーとしては中途半端に感じてしまいます。スターリン政権下の閉塞的な雰囲気作りや映像は良かっただけに残念です。 -
本作を観た後で原作を読んだのですが、何故原作の面白さをここまで削ぎ落とす事が出来るのか、絞りかすのような内容に驚き。唯一の救いはジョエル・キナマンのサディスティックな顔と美しい制服姿だけ。
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激ヤバなサイコサスペンス見たかったのにあれー?チカチーロじゃないの?なんで世界大戦なの?これは連続殺人犯を追う警官vs地上の楽園である共産圏に犯罪者は存在しないという組織との戦いではないですかそんなの見たかったんじゃないサイコサスペンスぅ!!
後で調べたらチカチーロをモデルにはしたけど時代設定もテーマも違う映画にしたんだって、ひたすら泥まみれで男どもが殴り合ってるばっかりじゃないか、キャストは無駄に豪華なのになんぞこれ。 -
チカチーロをモデルにした映画ということで期待し過ぎたのがいけなかった。事件より時代背景と人間関係が中心なので、事件自体はそれほど重要ではないし、なんならチカチーロモデルじゃなくて良かった感。
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チャイルド44
冒頭のソ連旗を掲げようとする兵隊は「特捜部Qのファレスファレス」ですね。それに「キリングのヨエルキナマン」も出てるんだね。まぁそれぞれに当時は売り出し中でしたもんね。原作は既読です。前半は重苦しくて面白くなかったけど、中盤から後半へは加速度的に面白くなって行った思い出がありますね。
さすが50年代のロシア車は観たことも無い面白い形をしてるなぁ(笑)
今でこそ共産主義、社会主義が如何に人を殺して来たか記録が残っているが、この当時は政策の不備や不作を恐怖で国民を縛り上げて誤魔化してた時代だから、政府や官憲がやってる事は本当にヒドイです。
ニコライリーカースも出演してるんだ(笑)「特捜部Q」が世界に知れ渡った後の作品なんだね。まぁ脇役だけども彼にもファレス君にも頑張って名を上げて欲しいです。
「一人の死か、四人の死か」これってマイケルサンデルの「これからの正義の話をしよう」に出てくる命題ですよね。僕はこの本読んでないけれど、何方が正解なのかは簡単には答えられないです。本作の原作を読んだのはかなり前だから忘れちゃったけど、前半はもっとぐだぐだした展開だった様な…こうも強烈に共産党の圧政を描いていたかな…それでもヒドイ展開過ぎて見ていられない…こんな事がソビエトでも中国でもベトナムでも行われていたんだろうな…社会主義国/共産主義って一体何なんだろうな?
しかしまぁどうしたらこんなヒドイ環境になるんだろうなって思っちゃうくらいの街だな。ここからこの物語は加速度的に面白くなってくんだよね。
「命を存えるために、みんな自分を捨てて生きている」すごい台詞だ。なんちゅう国なんだよ。こんな国に生まれた事を後悔するしかないような救いようのない言葉だな。これじゃぁなんの為に生きているのか分からない。自分がいつ国家に殺されてもおかしく無いと考えながら生きて行くなんて…ツライ。
そもそも党の運営方針自体が論理的じゃ無いんだから、論理的に詰めていけば矛盾が起こって破綻しちゃうよね。そこを上手く突いたところはとても良い。よし、コレで!って気持ちになった。物語の転換点ですね。そこから顔出ししてくるんだもん(笑)ここからは捜査モノ作品。裏切りと謀略の連続過ぎて重苦しい…本当に。
思いの外あっさり事件は解決したな。
ラストはとても良い。
タイウィンラニスター役のチャールズダンスがチョイ役で出てたね(笑) -
スターリン時代のソ連の恐怖政治が恐ろしくて2時間半もの間ずっと緊迫感に包まれてしまいました。「楽園に殺人事件は存在しない」ので、捜査しようものなら反逆者とみなされ、恐ろしい目にあいます。真犯人にたどり着いたこと、奥さんから真の愛を得られたこと、は良かったです。ただ、タイトルやサブタイトルは置くだけで掘り下げていませんし、孤児問題が物語に深みを与えるわけでもありません。ここは肩透かしでした。
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原作は未読。「殺人は民主主義の病」だとして殺人事件がもみ消されてしまうスターリン時代の共産主義社会。この背景はなかなか面白い。
でも映画全体としては喰い足りないかなぁ。トム・ハーディがなぜ事件に固執するのかが理解できない(たぶん自分の子ども時代のトラウマが関係してるんでしょうが明らかに掘り下げ不足)。ノオミ・ラパスとの夫婦関係もよくわかんない。ミステリーとしても、犯人がわりと簡単に尻尾を出すので盛り上がらない。