kirin booksさん
サラ ウォーターズ Sarah Waters
東京創元社 (2003年05月)
ミステリ
監獄を慰問に訪れた、心に傷を持つ上流婦人が、あるはずのない花を手にした不思議な囚人の娘に出会う。彼女は霊媒……罪状は詐欺と傷害。不思議な雰囲気を持つ娘に、彼女は徐々に心惹かれていく。 創元推理文庫なんだから、これはミステリ。そう思ったのが、浅墓であ...
小沢 昭一
朝日新聞社 (2000年07月)
エッセイ
長寿ラジオ番組「小沢昭一の小沢昭一的こゝろ」でおなじみ、俳優の小沢昭一は俳人でもある(ああ、なんてヤヤコシイ文章だ)。本書は彼が参加している「やなぎ句会」の活動や句作への思いを語る、「俳句エッセイ」である。 俳句を読むのは好きだが、私ごときに巧拙...
畠中 恵
新潮社 (2004年07月23日)
「しゃばけ」、「ぬしさまへ」に続く、大江戸妖怪病弱捕物帳の第三弾。本作も持ち味バクハツの短編集である。 お話の中でも時は流れる。寝込んでばかりの若旦那だったが、いつまでもそうではない。今回は何とお見合いはするわ、一人歩きはするわと非常にアクティブ...
ジョン アーヴィング John Irving
新潮社 (2000年06月)
小説一般
ロマンチック(かつエロチック)な小規模大河小説。 偶然と記憶と作為と創作に満ちた一人の女性の半生が、四十年の長きに渡って綴られる。生き別れの母、愛しつつも憎まずにいられない父親、写真の中で永遠に少年のままでいる二人の兄。それが彼女の家族だ。彼女と...
ドン ウィンズロウ Don Winslow
角川書店 (1999年05月)
伊坂 幸太郎
新潮社 (2003年11月)
歌野 晶午
文藝春秋 (2003年03月)
祥伝社 (2003年02月)
ジェフ・アボット 吉澤 康子
早川書房 (2004年07月08日)
親のコネでフリーターから判事に転職したモーズリー。恋人もできたし、ひとまず仕事は安泰だし、と落ち着き始めた矢先、恋人の資産家の伯父が殺害され、田舎町に不穏なオーラが漂い始める。更に、死体と共に古びた錠前や掛け金が見付かる。これは大海賊の隠した財宝...
C.S. ルイス Clive Staples Lewis
原書房 (2001年11月)
SF
C.S.ルイス(1898-1963)の手によるSF三部作の第一作目。 主人公は言語学者のランサム。休暇中に旅行に出かけ、ひょんなことから長年会っていなかったかつての同級生と、物理学者だというその友人に遭う。そして、供されたものを口にした後で意識を失い、気付くと今...
ジェフリー・ディーヴァー 池田 真紀子
文藝春秋 (2004年10月13日)
音楽学校で女生徒が殺害される。犯人は偶然現場に居合わせた警官に目撃されるも、衆人環視の中忽然と姿を消す。次に、メイキャップアーティストが自宅に押し入られて殺害される。被害者は殺害される直前に警察に電話をしており、犯人が逃げる時間はなかったはずだが...
北村 薫
新潮社 (2004年04月15日)
ファンタジー
幻想的な連作“超”短編集。夢見がちな性質に生まれたある男が、視力が悪化したことをきっかけに、本を読むことをやめる。代わりに、雑誌や新聞に語り女を募集する広告を載せる。 語り手たちの話は、ごく普通の日常から始まる。取材旅行で京都の竹やぶに行った。運転...
小泉 喜美子
出版芸術社 (1993年11月)
驚嘆すべき仕掛けに膝を打った。なるほど、名作と呼ばれるに値する作品である。 両親を失い、生活に窮してストリッパーになった女性が主人公だ。彼女はさる財閥の御曹司に見初められ、旧家に嫁すものの、周囲の理解は得られない。そこで一件の殺人が起きて……という...
新潮社 (2003年05月)
「しゃばけ」に続く第二作目。今回は短編集である。思えば、前回を導入と考えるならば、このシリーズは実に短編向きである。既に下地が魅力的なので、趣向を凝らして異なるネタを散らすだけで、安心して読める作品集になるのだ。短編集になった分、豪華なほどだ。ヒ...
中央公論新社 (2004年10月)
小説家にして稀代の「ミステリ紹介者」北村薫による、古今東西ミステリ案内。2003年1〜12月の一年間に渡って読売新聞に週一連載された「ミステリ十二か月」(「北村薫のミステリーの小部屋」を改題)及び、各月を振り返る「本棚から出てきた話」、挿絵を担当した大...
瀬尾 まいこ
マガジンハウス (2003年12月18日)
主人公は二十二歳。海の見える町で大学を卒業し、そのままそこの高校の講師になったばかり。担当教科は国語だけど、「文学なんてまったく興味がない。小説どころか雑誌や漫画すら読まない。」。それなのに、何故か文芸部の顧問になってしまった。部員は三年生男子生...
ローラ ヒレンブランド Laura Hillenbrand
ソニーマガジンズ (2003年07月)
ノンフィクション
世界恐慌もようやく終幕を迎えようとしていた1938年。アメリカのマスコミを最も賑わせたのは、人間ではなかった。それは、足の曲がった小さな競走馬だった。馬主は自転車修理工から身を起こした西部の自動車王、チャールズ・ハワード。謎めいた過去を持つ寡黙な天才...
新潮社 (2001年12月)
表紙の可愛らしさに惹かれて手に取った。最初は、この設定は「百鬼夜行抄」か?などと目をすがめて見ていたが、読み進む内にそんなことはどうでもよくなった。面白いのだ。 時は江戸時代。所はお江戸、日本橋界隈。主人公は廻船問屋の一人息子、一太郎、十七歳。幼...
小川 洋子
新潮社 (2003年08月28日)
文章にけれん味はなく、徒に感情を操る技巧もない。しかし、設定は実に奇妙である。物語は終始一人の女性によって語られる。野球が大好きな10歳の息子を持つ未婚の母で、家政婦派遣会社に勤めている。ある時、彼女は一風変わった顧客の元に派遣される。彼は元大学教...
浅倉 卓弥
宝島社 (2004年01月)
けなしたくて本を読むことはない。評価に値しなければ、読み止しでやめてしまう。読了したからには、何かしら読むところがあったのだ。しかし、実際本書の評価は低い。すごく低い。事実、これはアマチュアの筆によるものといっても過言ではない。第一回「このミステ...
貴志 祐介
角川書店 (2004年04月21日)
「天使の囀り」で食欲不振になり、「黒い家」で人間不信になった私が、再度懲りずに手を出した貴志祐介。今回は保安に不安になりました。セコムセコム。 事件はあるビルの中で発生する。一階には警備員、エレベータには暗証番号、窓は「はめ殺し」で、ガラスは頑丈...
ジェリリン ファーマー Jerrilyn Farmer
早川書房 (2003年03月)
「死人主催晩餐会」に続く、「ケータリング探偵マデリン」第二弾。なんとかならんのか、この副題。 今回はロサンゼルスを訪れるローマ法王歓迎朝食会である。マデリンのかつてのクラスメートにして元婚約者、現イエズス会修道士のザヴィアからの依頼なのだ。彼は組...
帚木 蓬生
新潮社 (1995年07月)
最後まで、集中力を途切れさせない見事な筆力。現在と戦中戦後の間に横たわる年月を感じさせぬ、優れた構成には舌を巻く。 物語は、戦中に強制徴用され家族と引き離され、九州の炭鉱で苦役に従事させられたある朝鮮人男性の一人称で語られる。生きて故国の土を再度...
永瀬 清子
思潮社 (1990年03月)
芸術
詩人は特別な眼を持っている。私とは違う嗅覚がある。日常のありふれた風景や、些細な思い出、小さな心の傷を一篇の詩で表すことで、平凡な私にも分かるように教えてくれる。それらが生まれた瞬間に消える常に特別な現象だということを。 永瀬清子の詩は、何故か時...
ジョナサン・キャロル 浅羽 莢子
東京創元社 (1989年08月)
最初からぐいぐい引っ張るこの筆致を見よ!何が起こりつつあるのか見えぬまま、それでもこの魅力的な世界に引き込まれて行く嬉しさよ。 物語は終始ある女性によって語られる。美しくはあるがごく平凡な彼女が、傷付きつつも今の幸福な生活を送るようになったいきさ...
カーター・ブラウン 田中 小実昌
早川書房 (1977年06月)
雰囲気からしてウォーレン・マーフィの「トレース」シリーズのようなものを期待していたのだが、やや肩透かし。おそらく影響を受けた元祖ではあるのだろうが、主人公アル・ウィーラーの魅力が今一つ理解できないのだ。金髪美人にモテモテの一匹狼の刑事で、優秀だけ...
ロビン ハサウェイ Robin Hathaway
早川書房 (2003年07月)
前回(フェニモア先生、人形を診る)が陰惨大量殺人だったのを反省したのか、今回こそ田舎のほのぼのミステリである。「宝島」のフレーズを差し挟みつつ、死体少な目で話は進む。 元患者の遺言で、田舎の湿地を遺産に貰ったフェニモア医師。添付された地図には、そ...
早川書房 (2002年05月)
ほのぼの田舎ミステリを読もうと思ったのに、何故か一家連続惨殺事件だった。「にひきのわるいねずみのおはなし」のフレーズを間に差し挟みつつ、「そして誰もいなくなった」を想起させる連続殺人が描かれる。 容疑は主に家族にかけられる。つまり、最後まで生きて...
ジョン グリシャム 白石 朗
新潮社 (2001年01月31日)
三回の結婚で六人の子供を設けた大富豪が、誰にも知られていなかった隠し子に全財産を遺贈すると言い残して自殺する。遺産をアテにして放蕩三昧だった子供達は、父の精神状態が異常だったと申し立て、遺言の無効化を図る。唯一の相続人である女性は、ブラジル奥地、...
早川書房 (2002年07月)
非常に軽いタッチで綴られる、仕出し弁当屋兼宴会企画人が主人公のミステリ。 社運を賭けて臨んだハロウィンパーティで、主催者のTVプロデューサーが毒殺された。不仲な家族、怪しげな占い師、恨みを持つ同業者と容疑者はてんこ盛りなのに、何故か主人公の同僚が第...
ジェフリー ディーヴァー Jeffery Deaver
文藝春秋 (2002年11月)
文藝春秋 (1999年09月)
文藝春秋 (2000年10月)
文藝春秋 (2001年10月)
ジェフリー ディーヴァー Jeffry Deaver
文藝春秋 (2000年09月)
森 雅裕
講談社 (1989年03月)
講談社 (1991年11月)
講談社 (1988年07月)
中央公論社 (1991年04月)
講談社 (1993年01月)
コニー ウィリス 大森 望
ソニーマガジンズ (2002年10月08日)
ディーン・R. クーンツ Dean R. Koontz
文藝春秋 (1993年06月)
キャサリン ネヴィル Katherine Neville
文藝春秋 (1998年09月)
新潮社 (1999年08月)
ジャック・フィニイ 福島 正実
早川書房 (1980年11月)
文藝春秋 (2002年06月)
上下巻。筆者の日常のふとした場面で、待ち伏せに遭ったかのように目に入った詩歌を紹介するエッセー。瑞々しい感覚で捉えられた詞は、この人の筆によってより特別なものになる。石垣りんの「悲しみ」、西条八十のメモ、無名の詩人の力強い詞…豊かな感性によってのみ...
恩田 陸
幻冬舎 (2004年06月11日)
【ネタバレあり。】 前半部分の余りの面白さに、むしろ最後まで読むとがっかりするのではないかという不安を覚えたが、それが当たってしまって残念。 未曾有の大パニック、原因は何なのか?要因は幾つあるのか?誰かが嘘を吐いているのか?隠れていたものが、質疑...
コニー・ウィリス 大森 望
早川書房 (2004年04月17日)
下敷きである「ボートの三人男」は、以前読んで期待はずれだった。しかし、この作品は充分に楽しめる。 美しい景色の描写といい、魅力的な登場人物といい、章ごとに二転三転するストーリーといい、連続のTVドラマに最適と思うのだが、実現しないだろうか?ブルドッ...
筒井 康隆
岩波書店 (2002年01月24日)
ジュブナイル
荒廃した世界を過酷な中にも楽天的に歩き始めた少女が、善意と好意と残酷さの中で現実を知りつつ成長する物語。荒唐無稽な状況設定の中、最後まで引き付けて離さない物語の力に感服。最後の一行に、少女時代に決別することで失うものの大きさを知り、泣けた。子供が...
岸本 佐知子
白水社 (2000年09月)
声を出して笑える変人エッセイの快作(怪作)。これを読めばいかにも狼なんて怖くないし、通勤電車は戦場だし、男性の乳首にも存在意義があるのを知ることが出来るだろう。著者の翻訳にも興味が沸く。
鹿島 茂
異文化を知ることで見える、自国文化の面白さに酔う。ヨーロッパと日本におけるSMの決定的な違いを意外な所に見つけ、「ビーフィーター」が"beefeater"(牛肉食い)のことと知る喜び、まこと知識を得ることは一つの快楽である。
古川 日出男
角川書店 (2001年12月)
不思議な展開で先の読めぬ物語世界が綴られる。作者の頭の中はどうなっているのだろう? 見捨てられた醜怪な王子にして稀代の魔術師が、憎しみ蔑みつつも焦がれ愛した蛇の魔人に1000年掛けて復讐する話。白く生まれたエチオピアの少年が、育ての一族に認められたい...
ロバート・R. マキャモン Robert R. McCammon
文藝春秋 (1999年02月)
上下巻。再読。何度目かはもう分からないけど。 何度読んでもいい。ページをめくる先で何が起こるのか知っていても、毎回新鮮な感情に再開することができる。コーリーと一緒に見聞きし、泣き笑い、走り、泳ぎ、飛ぶことさえできる。正しいことと間違っていること、...
レベッカ・ブラウン 柴田 元幸
朝日新聞社 (2002年10月10日)
読むのがつらい秀作。エッセイに分類すべきか悩んだが、これは私小説の目指すべき姿であると思い、分類を小説とした。 末期癌が発見された母の死にゆく日々を、淡々とした筆致で描く娘の視点が痛々しい。 いつか自分が状況に置かれたら、きっと同じようにクリステ...
デイヴィッド イーリイ David Ely
晶文社 (2003年10月01日)
短編集。 淡々としつつもどこか不安な情景描写の後に数行の非常にブラックなオチがあったり、当初と末尾で登場人物の力関係が不気味に逆転していたりする。幾つか(「理想の学校」「慈悲の天使」「大佐の災難」)はなるほど、という感じだが、評価を受けた「ヨ...
文藝春秋 (2003年01月)
いかにも北村薫的な三つの連作短編による作品。 伸び伸びとした(いつも通りの)主人公と、完璧なまでに秘密めいた女探偵の組み合わせが心地よく、通勤の往復で読み終えてしまった。特に巻措くあたわずという話ではないのに、この人の文体は読者の目の運びをス...
マイケル・ルイス 中山 宥
ランダムハウス講談社 (2004年03月18日)
2004/09現在、日本のプロ野球界は近鉄・オリックス合併による大異変の最中にある。合併による球団数の減少、それに伴う選手の減少などに反発する選手及びファンを無視する球団オーナー心理を知るべくページを繰った。しかし、非常に興味深い内容だったものの、現状...
関川 夏央
講談社 (2004年08月)
私は関川夏央のエッセイしか読んだことがない。「『ただの人』の人生」と、「中年シングル生活」の二冊である。そのため、本書もエッセイであるという先入観で手に取った。最初の数編を斜め読みしても、やはりエッセイと思って疑わなかった。しかし、裏表紙の解説...
ダン ブラウン
角川書店 (2003年10月31日)
上下巻。どうしてもハリソン・フォードで思い浮かべてしまう大学教授の、巻き込まれ型ミステリー。アマゾンのレビューは「科学力を駆使するテロリストとバチカン市国の枢機卿が対決する」と言うが、その説明はおかしかろう。枢機卿は確かに頑張っていますが、対決は...
東京創元社 (1999年06月)
ニール・ケアリーのシリーズ三作目。 ウィンズロウの小説は不思議だ。前二作を続けて読んだのは、もう3年以上も前だというのに(しかも気に入ったこと以外、話の内容をほとんど記憶していないにも拘らず)、読み始めるとすぐにニールの気持ちになっていく。それに、...
パット マーフィー Pat Murphy
早川書房 (2001年06月)
「ホビットの冒険」を下敷きにしたSF。 ドラッグとフェミニズム礼賛が若干鼻に付くものの、本家をいかに改築していくかを楽しめる。 ともあれ、女性ばかり出てくるSFに違和感を覚えるというのは、私も男性主体の見方をしていると言うことか?銀英で男ばかり出てきて...
アン マキャフリー Anne McCaffrey
東京創元社 (2000年04月)
【ネタバレあり。】 名摂政を失ったばかりの若き世継ぎには、何でも教えてくれる猫がいて……という粗筋に、猫八面六臂の大活躍!権謀術数猫まっしぐら!でも、だれも猫がそれに関わっているとは気付かないのです……という話だと思ったら、これの4割引くらいの中身だっ...
角川書店 (1999年09月)
時は1958年の冬。始まりはラブストーリー。スパイ稼業に嫌気が差したウォルターはCIAを退職、恋人のジャズシンガー、アンとともに真冬のマンハッタンに帰る。でも、男は毎夜悪夢にうなされる。自分が放り出してきた過去が、彼の夢をさいなむのだ。 中盤はエスピオ...
ダン・ブラウン
角川書店 (2004年05月31日)
上下巻。相変わらず好奇心で殺人事件に巻き込まれるラングドン教授、今度はシオン修道会と聖杯の謎を追うの巻。MATRIXで出会った「メロヴィンジアン」という名前に再会できて僥倖ナリ。 犯人は誰だ?はまたも大したことはなく、それにひきかえダ・ヴィンチの絵画に...
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