12歳の少年が書いた 量子力学の教科書

著者 :
  • ベレ出版
3.50
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本棚登録 : 334
感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860645137

作品紹介・あらすじ

10歳の頃には物理学の他にも天文学、歴史、哲学、医学、論理学、経済学、法学などあらゆる学問分野の本を読み漁り(最盛期には年間3000冊)、最終的に量子力学が自分の目指す専門分野であると考えるに至った著者がこの書籍を執筆したのは12歳のときでした。独学で、本だけを頼りに量子力学に挑戦する上で「入門書は易し過ぎ、専門書は難し過ぎ」ということを感じ、その間を埋める、入門書と専門書の架け橋になるような本があればいい…という想いを実現したのが本書です。数式を追いながら読めればよいのですが、入門者の方がそこを飛ばして読んだとしても、「量子力学」に一歩迫ることのできる一冊です。

感想・レビュー・書評

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  • 怪しい書名の本だが、ブックオフで安く売っていたので購入。本当に著者が12歳の頃に書いたらしいが、内容がしっかりしていて驚き。入門書と専門書の間の中間レベルの本を目指したとのことで、まさにその通り、文書だけの啓蒙書と、数式だらけの専門書の間のほどよい本になっている。この、啓蒙書では満足できないが専門書はちょっと辛いという層は結構いるのではないかと思う。中間レベルというと、広江 克彦さんの「趣味でxx]シリーズを思い浮かべるが、これよりは入門書寄りで、数式が少ない。

    なお、うさんくさい書名だが、「この本の題名は出版社が決めたもので、私が決めたものではない。だから”教科書”等のネーミングにはあまり気にしないで頂きたい」とのことである。出版社は販売第一なのでインパクトのある名前にしたかったのだろうが(実際このタイトルなので話題になっているようだが)、せっかくの良い本なので、こんな受け狙い的なタイトルではなく、もっとまともなタイトルの本にすればよかったのに、と思います。実際に書評などを見ると、読んでる人の興味は”12歳の子が書く量子力学の本というのがどんなものか”といったところが多く、本当に量子力学に興味をもって読む層は多くないのでは、と感じました(量子力学というよりは天才少年に対する興味)。まあ著者もたくさん売れて印税がたくさん入るほうが嬉しいとは思いますが。どうみても教科書ではなく、副読本です。そこは出版社の軽さ、商業主義を強く感じました。

  • 今まで断片的に勉強していたことが、この本によって有機的に結びつけられた。つまり、初学者が量子力学の全体を把握することにも向いているが、散発的に勉強してきた人にも有効であると言える。「物理数学の直感的方法」を気に入っている人には受け入れやすいかもしれない。この本に対する批判が、序に予見されていることも驚くべきことである。この著者には、是非Louisell著のQuantum stastical properties of radiationを邦訳した本を書いてもらいたいと思った。

  • 12歳で量子力学についての本が書けるとは驚愕。内容は他の量子力学本と同等だが、著者の思考過程をたどるようで面白い。著者は多世界解釈に興味あるのかな?入門書と中間書との位置づけ。

  • 著者は2021年 おそらく高校生、この先どこでどのような人生を送るのであろうか。できることならば物理学者として、飛び級位して偉大な学者になってもらいたい。
     本を書こうと思ったきっかけはなんであったのだろうか。親や教師や友人に学んだ知識を教えてあげようと思ったのかもしれないし、夏休みの自由研究として始めたのかもしれない。それにしてもすごい。一般の人間が中学の化学や物理で学ぶ基礎的な法則が発見された歴史的事象から近現代のアインシュタインとボーアとのやり取りなどを網羅して説明している。文章が上手とは言わないが、事実を端的に述べる純朴さがうかがえる。
     量子力学を知りたいと思って手に取った私にとって、入門書としては非常に優れた本であった。もう少し現代社会で量子力学がどのように応用されているのかまで知りたかったが、そのあたりは別の本に頼らないといけないだろう。
     我々は高校数学で行列、一次変換を学んだ世代だが、この本で改めてその必要性を再認識した。現代の子供たちは高校まででは行列を学ばない。可哀想とすら感じる。学問は実用性だけで判断したらだめで、この作者のように興味がある分野に限らず広く知識を学ぶ機会を教育界は守り、そしてそれを少しずつ広げてほしい。大人が子供の世界を勝手に狭めるのはおこがましい。
     色々なことを考えさせられる一冊だった。

  • 数式は全く理解できない。
    でも、抽象的な記号が身近な現象を表しているのが良く伝わってきて、物理学者さんたちはあの記号の羅列を通して世界を見ているのだなと改めて感心した。
    量子力学とマクロの物理学との違いがなんとなくわかったような気がする。もういちど読めば、また理解が深まりそう。

  • 復習の一冊として良い

  • 物理学者の伝記簡易版みたいな内容。量子力学や量子論に関わった著名な学者名を知りたければ敵書。理屈を知りたいなら全くの役立たず。

  • わかりやすいと思う
    若さを感じる
    また何年後かに書いててほしい
    化学史談伝塵のように

  • 2017/06/25 初観測

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著者プロフィール

2001年生まれ。
2018年孫正義育英財団2期生に選出。翌年より正会員。
2020年から自由な研究時間を確保するため英国Open University, School of Physical Sciencesに在学。専攻は理論物理学。現在の研究テーマはフレーバー物理学, 余剰次元など。
著書に『12歳の少年が書いた 量子力学の教科書』(ベレ出版、2017年)がある。

「2021年 『独学する「解析力学」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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