実に感想を書きづらい長編小説。でも面白く読めたとは思う。
冒頭から登場した二人の詩人を軸に物語が展開されるかと思いきや、次から次に色々な人物や現象が現れ、視点や場面の転換も目まぐるしく、もはや誰が主人公なのか、そもそも主人公という概念がある小説なのかすら分からないまま、まさかの「第二幕」に続くというシリーズ物。
この世界が階層構造であることの示唆が散りばめられる一方、作中映画の内と外、また、別の作中小説の内と外が入り混じり、複雑怪奇な世界観と人物設定を擁している。にもかかわらず面白く読み進められたのは、吉田さんのユーモア満載の語り口のおかげに違いない。シャバダの父親の寝相の悪さに関する描写には笑いを堪えきれなかった。
第二幕を読む頃に、この第一幕の粗筋を覚えていられるかが不安である。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年6月14日
- 読了日 : 2017年6月14日
- 本棚登録日 : 2014年10月27日
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