後期三部作のラスト。 かなり昔に読んだこの作品は、あらすじは把握していたが、恐らく読後の印象は前と変わらないと思う。
夏目漱石は、わりと衝撃的な事件を織り込む作家で、同じ時代の他の作家とは違うんだなと改めて思った。こころ、然り、虞美人草、然り。淡々と物語を進行していく中で突発的に事件勃発するあたりなんかは、あの時代の作家に見られない作風じゃないかなと。
やっぱり近代文学の巨匠なんだろうな。
先生の告白は、時を経て読んでも、苦しくて、悲しくて、切ない。Kのこころも、先生のこころも、ただひたすら切なくて、歳をとった現在の自分のこころを容赦無く揺さぶる。 また読もうと思った。
何度も読みたい、稀有な作家だ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日本文学
- 感想投稿日 : 2012年11月1日
- 読了日 : 2012年11月1日
- 本棚登録日 : 2012年10月28日
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