400メートルハードルの為末大さんが競技人生の中で到達した人生哲学。
特に競技者としてのピークを過ぎてから引退までの間に考えが深まっていたという。
アスリート人生は短い。
アスリート人生の死に向かって本気で走った人間には人生が見えるのかもしれない。
コーチを雇わず、セルフコーチングで走ってきたことも洗練された言葉に影響を与えているかもしれない。
自問自答して走る。そこで言葉がどんどんと洗練されていったのでしょうか。
まさに走りながら考えた言葉が並んでいる。
”『人間は必ず死ぬのになぜ生きなければいけないのか?』”
人間は最後には必ず負ける。死んでしまうから。
では生きる意味はないのかというとそんなことはない。
最終結果は関係ない。最後は死んじゃうから。
「無我夢中」に今を生きこと。そのこと自体が人生の目標ではないかと。この本には書いてあるように思いました。
”夢は持ったほうがいい。たぶん叶わないけれど”
夢は夢中になるための道具。ワクワクするための仕掛け。
一番良くないのは、
「たぶんできないからやらない。
恥ずかしいから本気をださない。」
というどうでもいいプライド。
そういう経験は心に残り悪さをする。
”子どもの頃にフタしてきたことを、 終わらせにいく”
夢中になってやりきる。結果をもちろん本気で目指すのだけど実は結果は関係ない。
その瞬間が幸福で、失敗したとしても自己肯定感を味わえる。ペロペロン。
引退間際。為末さんは練習でタイムを計らないことが増えていたと言う。
それがいいことだったかどうかわからないと本には書いてある。
夢中になる道を極めすぎて競技の枠を超越してしまったのでしょうか?
ジワジワやる気が出てくる良い本でした。
- 感想投稿日 : 2013年2月23日
- 読了日 : 2013年2月23日
- 本棚登録日 : 2013年2月23日
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