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ほんのきろく。すきかってなかんそうとかあらすじとか。
レビュー by ktoさん
有川浩作品13作目
偶然が重なり巨大化した深海に棲むレガリスという甲殻類(エビ)が横須賀基地と近辺の街を襲う。時は奇しくも春の桜祭り。基地が開放されるこの日、基地は民間人に溢れていた。この時、湾内には「きりしお」という潜水艦が停泊中だった。レガリス襲撃の報を受け隊員達は陸へ上がるが、そのうちの三名は逃げ惑う子供達を守るため艦内へ壊走することになる。レガリスの勢いは凄まじく、間に合わなかった三名のうちの一人「きりしお」艦長は切り落とされた腕を残しで死亡。艦内には新米幹部実習生夏木と冬原、として同じ町内会の子供達がとり残されることになった。
子供達の中で最年長の「森生望」だけが唯一の女性である。
警察の装備で撃破出来るわけがないのに、自衛隊を出そうとしない上層部だとか、時間のかかる米軍との駆け引き、長期的な視線をもてない無能なえらい人たちなどは正直言って小説だと笑えない。
深刻な状況の間に差し挟まれる「女の子」視点の心情や恋心、また子供達、は最初は無視できない違和感を醸し出していて、深刻な戦いの描写と乖離していて気持ち悪かったけどでもそれだけ。最後まで読むとすっきり腑に落ちる。戦闘描写は真に迫るようで。飲み込まれるようなテンポの良さは流石。最後のオチは安心のお約束。やっぱり!と楽しくなった。
歪な町内会。圭介の母親を頂点としたピラミッドは子どもの社会にも適用されて彼らの関係を歪ませる。孤児であり、叔母夫婦のもとでク暮らす森生姉弟。弟の翔は両親を失った事故の後遺症か心因性で口が利けない。
転居当時には望に好意を抱いていたはずの圭介はそれに感づいた母親の反発により今は酷く望を嫌っている。
そんな歪んだ関係がこの異常な環境下で友人の離反や、夏木たちの鋭い言葉により改善の色を見せる。
圭介の身勝手な策略を起因に、話すことができるようになった翔。
また上陸が叶った後のマスコミに対する望と圭介の対応が痛快、見ものである。
塩の街の酷さに残りの自衛隊三部作に対して腰が引けていたが良い意味で期待が裏切られた。恋愛に絡めようとする意図がやっぱり違和感を感じさせたけど、警察側の奮闘や、自衛隊の出動を頷かせるために恥を忍んで、また負傷者を負いながらの潰走が格好良くて面白かった。真に迫るような心理描写には思わず唸る。
あついおじさんたちはやっぱり良いな!
レビュー登録日 : 2011年11月10日
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