「ぼんくら」では12歳だった弓之助がもう14歳に。出会った当時はあちらこちらを測量しまくり、風車で喜ぶ子供だったのにいつのまにかぐっと大人っぽく成長していくのに、平四郎と同じく少しさみしいような気持ちになった。
今作「おまえさん」でも、人間の心の闇や欲の描写がひかる。宝くじが当たったことで人から尊敬される味を覚えてしまった仙太郎の身の崩し方、母の支配から解放され、堕ちた女を美しく変える過程だけに魅力を感じ何年かしたらすぐに妻を変える千蔵。このふたりが特に印象的だった。
大黒屋の謎が下巻でどのように解き明かされるか楽しみ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
歴史・時代小説
- 感想投稿日 : 2017年4月22日
- 読了日 : 2017年4月22日
- 本棚登録日 : 2017年4月22日
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