ソ連邦の誕生から解体まで、その大枠的な時系列整理と論点を非常に分りやすく、しかし綿密のまとめた良作。研究者の為の研究書とも言える心地よい論理構成と論理展開をする本書だが、その一方で一般の人には理解出来ないような専門書でもあり、価格も高過ぎる。美や芸術と同じで専門職、いわゆる職人としての作業を美しいと感じる事が出来るかもしれないが、ではその研究とは現在のどのような意味を有しているのか、そしてどのような具体的な還元があるのかという意味では、まさに氏が冒頭にあげる「国家の構築と解体」という普遍的テーマがあるのであろうが、冒頭の問いかけは気がつけば、ソ連史という著者のフィールドの中でぼけて、最後にはソ連と言う枠組みにどっぷりとはまり一般化の議論は消えてなくなるような気もする。
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カテゴリ:
ロシア
- 感想投稿日 : 2008年8月14日
- 本棚登録日 : 2008年8月14日
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