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レビュー by クールス・メジドナロードノイ・アトノシェニィさん
ロシア映画らしい世界観で、そこにある絶望感と孤独は言いようの無い後味を残した。個人的には、主人公(サーニャ)が終盤でトーリャ(母親カーチャが愛し、サーニャと共に暮らし、父のように振舞うが、素性は泥棒)が収容所に護送される時に初めて「パープカ」(お父さん:パーパの愛称)と呼んだのですが、このシーンを最後にすれば、見ている者も感動で終わったと思います。
しかし、映画では続きがあり、根っからの詐欺師トーリャは、母亡き後、彼を「父」として想い偲び、そして待ち続けていたサーニャと偶然再会した時に、亡き母カーチャを愚弄し(「列車で一発ヤッただけの女」)、そして現在も懲りずに泥棒行を繰り返していたのです。その事実を知り、かつて「父」と慕い待ち続けたトーリャの肩身の銃で、サーニャはトーリャを殺すのです。この辺の、見ている側の「期待の裏切り」はある意味でロシア映画らしさであるかもしれない。
愛と孤独、真実と嘘、正義と不正、そして「父」と他人、それでも母のカーチャはトーリャを男として、サーニャの父として愛し、サーニャはその母の思いを知り、幼心にトーリャを最後に「父」として受け入れる。しかし、トーリャは結局、こそ泥以上でも以下でもなく、彼を愛し病に倒れた母を慰めるかのように、そして「父」と慕い、彼を愛した自分自身を否定するかのように、サーニャはトーリャを殺したのでしょうね・・・。非常に深い・・・。これを見て、ロシア映画が好きになりました。
レビュー登録日 : 2009年03月18日
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