新宿鮫シリーズの第3作。1994年。
今回は、
「不法に赤ちゃんを堕胎させ、その赤ちゃんの死体を臓器売買などで海外に不法に輸出して暴利を得ている一味」
が、敵役です。
その一味と言うのは、ボスが美容クリニック経営者の美女。そして、その手先である元刑事、無免許医師、そして看護師のおばちゃんです。
魅力は、なんといっても看護師のおばちゃん。
このおばちゃんが、地味なおばちゃんなんだけど、非情で凄腕の殺し屋、という設定。
そしてこのおばちゃんは、私利私欲が無い。美容クリニック経営者の美女のことを、「娘」のように愛していて、そのためならなんでもする、というキャラクター。
第1作ではヤクザやホモのプロ犯罪者。第2作では、国家に鍛えられた殺しのプロ。
という流れから一気に目新しいカタキヤクです。流石。
前半、まだ敵の全貌が分からず、振り回されながら主人公が徐々に敵を知っていくあたりが、面白かったですね。
その辺りで、主人公の恋人さんもちょこっと事件に巻き込まれます。
そういったやり口も、ほどほどで面白い。
後半は、ちょこっとバタバタしますかね。
といっても、このシリーズを楽しむのであれば、多少のご都合を批判するのは的外れ、なんですけどね。
金田一耕助シリーズもそうなんですが、だいたいにおいて最大の殺人者、最大のドラマを背負った犯罪者が、最期に追い詰められつつも、自殺しちゃうんですよね。
そのあたり、パターンと言えばパターンで、微笑ましい限りです...。
- 感想投稿日 : 2016年7月27日
- 読了日 : 2016年7月27日
- 本棚登録日 : 2016年7月27日
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