バラガン邸は知っていたけど、この本を読んでその意図とその美をより深く知るにつれて、建築家ルイス・バラガンの人柄や思想生き方にも興味を持った。同じ室内を朝昼晩と時間を変えて見せている写真など、読者がバラガン低を”体感”できるような工夫がなされている。
「建築家は静謐な家を作るべき」という信条には心から共感。庭(ランドスケープ)から発想し、空間を切り取る、区切る試みの迷路のような家は、住むものを刺激し想像性を豊かにしてくれる気がする。特に格子の窓がとても美しい。静けさと芸術を愛するアーティスト的な美意識の高さ、修道士のような禁欲的な一面、有能な実業家としての一面、そして町の人々や使用人などを家族のように愛する温かな人柄など、バラガンその人の魅力が彼の家の尽きない魅力の源泉なのかもしれない。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
建築
- 感想投稿日 : 2011年8月11日
- 読了日 : 2011年7月23日
- 本棚登録日 : 2011年7月23日
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