正教会の祭と暦 (ユーラシア文庫 2)

  • 群像社 (2015年12月1日発売)
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私の周囲のクリスチャンたちはトルストイやドストエフスキーを愛読している人が多い(一定年齢以上だと特に)。でもロシアやウクライナで教会を訪ねると当然ながらプロテスタントの教会とは様子が違う。どう違うのだろうかと思ってこの本を読んでみたがやっぱりだいぶ違う!ということがわかった。
今までこういうった類の本を手に取ったことはなく、今後役立つと思う。

著者は現在ニコライ堂にいらっしゃる司祭であるが、私が2010年夏にセルギエフ・ポサード(教会の敷地には猫が沢山いた!)に行った時お会いした日本人の聖職者の方そのお人(お名前を伺わなかった)なのではないかと思っている。お若くて、言葉遣いがとにかく丁寧で「ぜひこちらで生きた正教会をご覧になっていってください」というようなことをおっしゃっていた。

このコンパクトな文庫本に、祭り(儀式・祈りなど)の意味を、これまた丁寧な言葉で解説されている。
写真がもう少し多く入れられていたらなと思わないでもないが(しかし「実際に来て見て体験する方が本を読むのより理解の近道」ですからね)、そのかわり可愛らしいイラストがいくつか納められている。

なるほど!と膝を叩いたのは、正教の礼拝、その儀式が五感の全てを使って神の愛、神による救いを体感するものだということ、祭と齋とのサイクルでも心身ともにそれに浸り、神様に寄り添われた生活が感じられるようになっているという指摘だった。
対してプロテスタントの教会は理に走りがちだとは思う…。

※51ページ1行目に「できるもで」とあるのは「できるもので」でありましょう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2016年1月23日
読了日 : 2016年1月23日
本棚登録日 : 2016年1月17日

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