スリジエを読んでいる途中に、図書館の返却期間の関係で先にこちらを読んだ。
私の中で、世良先生は数年前から気にかけてきた人物。研修医時代、ブレイズメス、極北クレイマーでの再登場、そしてスリジエ時代、そして、このたび極北ラプソディーで。
速水先生も世良先生も、一人社会に戦いを挑んでいるようにみえて、実は見守り、引き止めたり、突き放したりしながら、力をかしてくれているよき理解者がいる。
いつもの海堂シリーズよりも、一人一人の登場人物が丁寧に描かれているという印象。そして、海堂さんもまた、人間に向ける視線が優しい。きわどい問題をテーマにしながらも安心して読めるし、読後感が気持ち悪くないのは、医療関係、またはそれを超えた人間への優しさか。
痛烈な批判や問題提起ばかりの文章ならだれでもかける。
全然エリアはちがうけど、重松清さんの、人間への優しさと通じるところがある。
それにしても、花房師長のポジションはずるい!
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年9月8日
- 読了日 : 2013年9月7日
- 本棚登録日 : 2013年8月28日
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