極北ラプソディ

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2011年12月7日発売)
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本棚登録 : 2069
感想 : 322
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スリジエを読んでいる途中に、図書館の返却期間の関係で先にこちらを読んだ。

私の中で、世良先生は数年前から気にかけてきた人物。研修医時代、ブレイズメス、極北クレイマーでの再登場、そしてスリジエ時代、そして、このたび極北ラプソディーで。
速水先生も世良先生も、一人社会に戦いを挑んでいるようにみえて、実は見守り、引き止めたり、突き放したりしながら、力をかしてくれているよき理解者がいる。


いつもの海堂シリーズよりも、一人一人の登場人物が丁寧に描かれているという印象。そして、海堂さんもまた、人間に向ける視線が優しい。きわどい問題をテーマにしながらも安心して読めるし、読後感が気持ち悪くないのは、医療関係、またはそれを超えた人間への優しさか。
痛烈な批判や問題提起ばかりの文章ならだれでもかける。

全然エリアはちがうけど、重松清さんの、人間への優しさと通じるところがある。



それにしても、花房師長のポジションはずるい!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2013年9月8日
読了日 : 2013年9月7日
本棚登録日 : 2013年8月28日

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