レビュー by koharakazumaさん
死んだ画家の「生まれ変わり」かもしれないという主人公の女性が、自分の死を予感していた画家が残した最後の絵をもとに、その死の真相に近づいていくのだけれど、一番肝心な手がかりの与え方が、ミステリーとしては少々アンフェアなように感じられてしまう。ゲームと同じで、「難しすぎず、易しすぎず」というバランスが重要なのだろうが、それが重要な手がかりであることをもっとしっかり印象づけておき、謎解きの時点で「ああ、そういえばそんな手がかりを与えられていたんだな」ということをしっかり感じさせないと、おちた感がどうしても薄くなる。そのあたり、たとえば辻村深月ならもっとうまく書くだろうなあと思わせてしまう。ミステリーの書き手として、恩田の一番の欠点はオチのつけ方だと、多くの人に指摘され、本人もそれを意識して、オープンエンドにしてみたり、謎そのものの存在しないノンミステリーのほうに向かったり、ここから彼女はいろいろと試行錯誤をしていくのだけれど、少なくともこの小説の場合には、オチそのものの問題ではないようにも感じる。" レビュー登録日 : 2011年09月10日
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