ミノタウロス (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2010年5月14日発売)
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本棚登録 : 494
感想 : 58
4

 硬い文章が時々読みたくなるのだが、読み始めて後悔するほど硬くて、全然進まない。特に登場人物の名前が覚えられず、最初は前に戻って確認しながら読んでいたが、途中から覚えられないまま読んでいて、その人が死ぬと安心したのだが、回想で名前が出てくると、くうと思った。メモしながら読むべきであった。

 お坊ちゃん育ちの青年の地獄めぐりであった。仁義もなにもなく、仁義があるのは余裕のある時だけ、それでも意地だけはある。現代の世界でも難民の生活や紛争地帯はきっと同様の地獄が存在しているであろうことを思うと心が痛い。

 女性に対してむごい描写や辛辣な表現が多々あるのだが、男性作者が書いたら読めたものでない感じがした。特にマリーナというお姫様みたいな女がひどかった。きっとそういうタイプが嫌いなのだろう。

 田舎者の訛りが新潟弁で面白かった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2017年4月5日
読了日 : 2017年4月5日
本棚登録日 : 2017年4月5日

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