Alibaba アリババの野望 世界最大級の「ITの巨人」ジャック・マーの見る未来

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店 (2015年4月2日発売)
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感想 : 11
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馬雲が出演していた『中国で勝て』のCCTVプロデューサーであった王利芬氏の著作。馬雲と間近で接し著者自身も起業を経験したことで彼の言葉を咀嚼することができ彼に対する敬意を以て丁寧に文筆された印象を受ける。

馬雲が築き上げたタオバオやアリペイはいまや中国ECのスタンダードとなり、前述の『中国で勝て』への出演然り「網商大会」や「独身の日」などを戦略的に仕掛け、現在では世界中の競合やビジネススクールの研究対象となっている。彼はチャイナ・ドリームの象徴であり、その創業の地「湖畔花園」は中国のシリコンバレー的象徴となっている。映像や文章を通してでさえ彼の鬼気迫る迫力が伝わってくる。しかし彼の言動や行動ひとつひとつを見るととても謙虚で真摯な人柄が感じ取れる。それはアリババ創業までに至る紆余曲折、そして起業後の幾度の危機や難しい判断が織りなす苦労人ならではの人間的魅力を生み出しているからだろう。彼が孫正義をソウルメイトと呼ぶのも近しいものを感じているからだろう。

著者自身の体験と馬雲から聞いた言葉で綴られており、アジアが誇る最重要経営者の一人である馬雲がどのように人物か理解を深めることができる一冊だ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ビジネス/政治経済
感想投稿日 : 2015年10月15日
読了日 : 2015年10月15日
本棚登録日 : 2015年10月4日

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