初めて読んだ貫井作品。本の分厚さになかなか手が出せなったが、読み出したら止まらなかった。
複数の人々の、少しずつの我儘なルール違反・モラル低下が重なり、やがて2歳の少年が死亡する事故に繋がる。
前半はそれぞれのルール違反の模様が延々と描かれ、「これ全てどう繋がるんだろう」と不思議に思いながら読み進めていったが…。なるほど、よくここまで話の筋道立ててまとめられるなぁと驚いた。
前半の章題がー40、-15と事件までのカウントダウンをしているから不気味さも加わる。
事故後に遺族である父親が関係者一人ひとりを訪れ真相を究明するが、そこでは決め手となった最後の造園業者を除いた全ての人間が「自分は悪くない」「なぜ自分だけが責められる」と謝罪の一言もない。
犬フン放置の老人と車放置一家が特に腹立たしかったなぁ。。。
愕然・呆然とする父親。やるせなさ、無力感とはこういうことかと読んでて気分が沈んだ。
自分も全くルール違反しないで生きてきたとは言えない。誰だってそうだと思う。
「やってるのは自分だけじゃない。みんなもやってること」と開き直ったり甘えが出ることも人間誰しもあることだ。
だけど作中にもあったが“権利ばかり主張して義務を果たさない”人間は醜いし、自分の非を指摘されてそれを認められなかったり謝罪できないことは恥ずかしい。
登場人物たちを反面教師にできるよう、自分の立ち振る舞い方は気をつけなくちゃ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2014年7月29日
- 読了日 : 2014年7月28日
- 本棚登録日 : 2014年7月27日
みんなの感想をみる