「複雑ネットワーク」とは何か―複雑な関係を読み解く新しいアプローチ (ブルーバックス)

  • 講談社 (2006年2月21日発売)
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本棚登録 : 396
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いくつかの枝とそれを繋ぐ線というシンプルなモデルからこれだけのことを語れるというのは本当にすごい。複雑でどこから手をつけたらいいかわからないような現実社会が、モデルの導入でこんなにすっきり明解に分析できてしまうとは思いもよらなかった。

もちろんここで説明されていることは導入の導入でしかないし、このモデルでは語ることのできないことのほうが多いだろう。たぶん、語れた部分についても多くの事象が捨象されただろうし、その中にこそ大事なヒントがあったかもしれない。

それでもこうしたモデル化が現実を一部であれ解明する糸口になるとこんなに鮮やかに示せるのは意味あることだと思う。社会科学は経済学を除けば統一的なモデル化の程度が自然科学に比べて低いと思うが、複雑で実験の難しい人間社会を扱うからこそモデル化が大事なんじゃないかと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: その他
感想投稿日 : 2010年9月10日
読了日 : 2009年9月10日
本棚登録日 : 2010年9月10日

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