作者自身によって選ばれた自選短篇集の第1部。各話ごとに作者による簡単な解題がついている。
山本直樹というのは何度読んでもとらえどころがないというか、よくわからないというか。なのについ読んでしまう。かつて有害図書指定されたように、山本直樹の特徴はその性描写、とくに少年少女のそれで、これは一貫して変わらない。しかし、それがただのエロ漫画にならないのが山本直樹のすごさ。性描写があればあるほど世界は現実感を失いするりと手元からこぼれ落ちていく。焦燥と諦念とがふわふわと中空に停滞したまま、白昼夢のような空気が紙面に定着される。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
コミック
- 感想投稿日 : 2013年6月29日
- 読了日 : 2013年6月29日
- 本棚登録日 : 2013年6月29日
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