大正天皇 (朝日選書 663)

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2000年11月1日発売)
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明治、昭和の"偉大"とされる二人にはさまれ、「遠眼鏡事件」等の悪い噂しかなかった、悲劇の天皇。影が薄いが、実は昭和時代の天皇のイメージを支える重要な役割を演じた人間味のある人だった。初めて貞明皇后との一夫一妻を守り、4人の皇子に囲まれ、家庭的な慈父であった天皇。昭和天皇は祖父に倣うように幼少から育てられ、また尊敬していたというが、父のことはほとんど語らなかった。明治後期の皇太子時代の全国、行啓・巡啓を通し、ベールにつつまれていた天皇を身近な存在にした功績。そして脳の病気で苦しみ、記憶さえも失っていた?天皇時代。生後まもなく実母・柳原愛子から隔離され、側室の子として、肩身狭く、家族の愛を知らずに育った天皇が、哀れでさえありました。救いは有栖川宮への親愛感、皇后との心の交流でしょうか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本史
感想投稿日 : 2013年8月25日
読了日 : 2001年1月13日
本棚登録日 : 2013年8月25日

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