氷上の光と影 知られざるフィギュアスケート

著者 :
  • 新潮社 (2007年2月24日発売)
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本棚登録 : 77
感想 : 14

フィギュアの過去の主な名勝負を振り返り、その背景の深い所までえぐっていきます。荒川静香の優勝とコーエン、スルツカヤの失敗。ヒロインになり損ねたナンシー・ケリガンと悪役ターニャ・ハーディングの因縁?
そして優勝をさらった妖精オクサナ・バイウル。ソルトレイク五輪における採点騒動とその後の新採点システムの導入。カナダ・ペアとロシア・ペアのその後など、興味深いストーリーに富んでいました。光と影というときに何か暗い翳を思い浮かべますが、ただ勝利と敗北を分けたものという意味で使っているという著者の最後近くの言葉でホッとしたように思います。それにしてもハーディングがその後、プロ・ボクサーになったとか、バイウルが17歳にしてアル中になり、飲酒運転で捕まったとか、寂しい末路を感じてしまいました。日本でのフィギュア・ブームと裏腹に米国では人気が低落しているとのこと。フィギュアというスポーツの金との結びつきを改めて感じさせる本でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: スポーツ(サッカー以外)
感想投稿日 : 2013年8月18日
読了日 : 2007年6月27日
本棚登録日 : 2013年8月18日

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