「20億光年の孤独」、「六十二のソネット」など著者の初期の有名な詩集を含む。哲学的な響きを持つかと思えば、幼児向け言葉遊びのような詩まで。詩人の際立つような純粋さを感じる。巻尾の数名の作品論が解題的な位置づけで、味わいがある。荒川洋治氏が「これは青春の詩というよりも、ずいぶん思慮のある詩」だと書いている。また妻・佐野洋子が「谷川俊太郎の朝と夜」と題して、身近に見る谷川を諧謔的に紹介しているが、これがまた詩人のイメージ通りで愉快な文章。「六十二のソネット」の20「心について」の中からなぜか心に突き刺さった一節。「今 私に歌がない 私は星々と同じ生まれだ 私は心をもたぬものの子だ」
また、詩集「どきん」の「みち」は高村光太郎「道程」を連想させる。「みちのおわったところでふりかえれば みちはそこからはじまっています・・・」
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
詩歌
- 感想投稿日 : 2015年1月8日
- 読了日 : 2015年1月7日
- 本棚登録日 : 2014年12月31日
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