下巻は昭和22年正月の検事側立証の終了から、弁護側の反論、結審、判決、昭和23年12月23日の死刑執行までを描く。判決が近づくにしたがって被告の間に広がってゆく亀裂、自殺防止を理由に過酷になってゆく被告たちの待遇、天皇不起訴という前提の下、東条英機の「平和愛好者である裕仁天皇が開戦の進言にしぶしぶ同意した」という陳述、「健康で黙々と死についていった」と家族に言い残した広田弘毅が特に印象に残った。優れたドキュメンタリーであると同時に、東京裁判を描くことで戦争の愚かさが十分伝わってくる。日本人必読の本だと思う。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
歴史
- 感想投稿日 : 2012年9月23日
- 読了日 : 2012年9月23日
- 本棚登録日 : 2012年9月23日
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