前略 新刊のお知らせは削除しました(笑)
本題に戻ると、この「天国はまだ遠く」。
自殺を決意した若いOLが、誰も知らない何処か遠くの町へ行くという設定なのだが、いとも簡単に失敗して「やはり、生きていこう」というお話。
プロットとか、変な捻りとか一切なし。
とても単純なストーリーなのだけれど、何故に彼女が書くと、ここまでしみじみ心に響いてくるのだろう。
特にてらった表現があるわけでもない、素直な文章。
やはり登場人物が優しい人ばかりだからかな。
民宿の田村さんも、みかんをくれるおばあさんも、地域のおっさん、おばさんたちも。
みんなあったかい。
田村さんとの会話のキャッチボールも、とても面白くて楽しい。
*「農業と漁業のバイリンガルや」というのが可笑しかった。
ホントに彼女の作品には癒し効果があります。
温泉にぬっくりつかっている気分というか、ヒーリングミュージックを聴いているというか、アロマオイルマッサージをしてもらっているというか。
心休まる小説ばかりです。
桜の樹の下で、春の陽射しを浴びながら、ゆったりした気分で読むには最適の書でした。
───ちなみに昨日は、『千鳥が淵』に桜を観に行って来ました。
満開一歩手前の八部咲き程度でしたが、それでも綺麗でしたね。
人出がまたすごかった。
去年は震災の影響もあり、自粛ムードでそれほど混雑していなかった記憶があるのですが、その分、今年は弾けたみたいで。
日本武道館への入り口から外堀周辺は、歩行者の交通規制まで敷かれていました。
しかも武道館では某大学の入学式。
晴れの入学式に遅刻した方もいたのではないでしょうか。
他人事ながら、少し心配になった私です。
- 感想投稿日 : 2012年4月8日
- 読了日 : 2012年4月5日
- 本棚登録日 : 2012年4月8日
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