幻夜のお茶会への招待状»
ジャンルは問いません。 手当たりしだい目に留まった本を読んでいきます。
レビュー by 小凛さん
同一空域の高度二万キロで起きた二件の航空機事故。一方の民間機「スワローティル」を開発していた「春名高巳」はもう一方の事故機に随行していた航空自衛隊のパイロット「武田洸稀」と共に向った事故現場で謎の物体を発見する。光やレーダーを透過し、白く数十キロ四方はありかと思われる「空の中のもの」は、意思を持ち、電波を通して2人に話しかけてきた。普段は透明になっている為に気づかず衝突してしまったのが、双方にとっても不幸な事故の原因だった。
事故で亡くなった空自のパイロットの息子の「斉木瞬」は幼馴染の「佳江」と共に海辺で巨大なくらげのような生物を見つけ連れ帰る。それはやがて亡き父の携帯を通して会話ができるようになり、瞬に従順に懐く。瞬もまた、「フェイク」と名づけ、いなくならない完璧な家族として夢中になる。そんな瞬を不安に思う佳江。
未知の生物を「白鯨」と名づけ、対策本部を設立し高巳を中心に対話を計っていたが、諸外国との事情もあり日本政府は白鯨の保護を放棄する。攻撃により多数に分裂した白鯨の逆襲に対抗する術はなく、甚大な被害を被る。
白鯨をせん滅しようとするもう一人の事故被害者の娘「白川真帆」
個々が意思を持ちながらも全てが一つとの意識を持つ「白鯨」
白鯨を一つに戻し、共存の道を探したい「対策本部」
フェイクを憎み、仲間の白鯨を殺せと命じてしまう「瞬」
瞬の望みを叶えるために仲間を食べる「フェイク」
それぞれの思いはどんな結末を呼ぶのだろうか
自衛隊三部作の空編です。
今回は生き物には見えない生物がでてきます。たんなるおっきい楕円形。でも、高度な知能があり、生態系が違うのでしょうがないですが、人間とはだいぶずれた思考を持っている。後書で怪獣とか書いてありましたが、らしくないです。そんな生物と果たして意思の疎通が可能なのか?高巳のおとぼけた語りと、白鯨の生真面目そうな話し振りが、奇妙にずれてる様ながらうまがあってて面白いです。
相手を理解するって難しいですね。人同士でも諍いが起きるのに、多種族だったらなおさら。しかも絶対的に相手のほうが種として優位。相手に害意がなかろうが脅威に感じてしまうのは仕方がないことかな。数々の行き違いが、結果として大きな悲劇になるのが哀しいですが。瞬も真帆も悪くないのに、戻れなくて必死に足掻いて・・・切ないなぁ。フェイクもすごく健気。
宮じいに救われるね。押し付けるでもなく単純な真理をさらっと言ってくれる。こういうお年寄りキャラにはとても弱いです。ありがとう!宮じい
登録日 : 2008年03月28日 09:48:26


コメント
まだコメントはありません。