ちょっと今から仕事やめてくる (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2015年2月25日発売)
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表紙+タイトルで気にはなっていて、映画化でも話題になったためこのタイミングで手に取った。
そもそもこのタイトルが気になっている時点で、少し精神的に追い詰められていたかもしれない(笑)

自分もいちサラリーマンとして、激務に打ちひしがれる主人公の状況は痛い程共感できた。
この本のテーマである「自分、そして周りの人のためにも自分の生活を大切にすること」については、素直にその通りだと感じた。

本全体としては、何となくライトノベルのような印象。
サッと簡単にすぐ読み進められるのが良さだとも思うのだが、いかんせん全体的な「軽さ」を感じざるを得なかったように思う。
テーマについては概ね賛成なのだが、心にグッとくるものがあったかと言われると、そこまでではなかったように思う。
主人公が辞める直前に会社のメンバーに向けて話すシーン、そしてその内容も何となく違和感を感じた。
ヤマモトの正体、先輩の裏切りも比較的序盤に気付くため、期待し過ぎて読む小説ではないかと。

映画化であれば、きっとそこそこウケるんだろうな…

<印象に残った言葉>
・ お前の人生は、半分はお前のためと、あと半分は誰のためにある?あとの半分は、お前を大切に思ってくれる人のためにある。(P166、ヤマモト)

・僕には、世界を変えることはできません!それどころか、この会社ひとつ、この部署ひつと、向かい合う人間ひとりの気持ちすら変えることののできない、そんなちっぽけな人間で何の取り柄もない人間です。でも、そんな僕にでもひとつだけ変えられるものがあります。それざ、自分の人生なんです。そして、自分の人生を変えることは、もしかしたら、周りの大切な誰かの人生を変えることに繋がるのかもしれない。そう気づかせてくれた人がいるんです。友達がいるんです。両親が心配してくれているんです。まだ今は自分が何をしたいのかも、何ができるのかもわかりません。でも、何をしてもいい。ただ、笑って、したいことをして生きています。自分に嘘をつかないように、生きています。両親を大切にして生きていきます。それだけで、いいんです。今の僕にはそれが全てなんです。 (P208、青山隆)

・ 夢を諦めてしまったり、挫折を繰り返したりして、自分の可能性を見出せないまま、人生を終えてしまう人も少なくない。そして、天職に巡り合えた人も、巡り合えなかった人も、みな試行錯誤しながら、もがき苦しみ生きていくのだろう。(P224)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: レビュー有
感想投稿日 : 2017年6月11日
読了日 : 2017年5月31日
本棚登録日 : 2017年5月31日

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