池上彰さんの宗教シリーズ。
オーディオブックにて購入、読了。
普段、何となく興味を持っている「宗教」関連の内容だったため、非常に面白く読めた。
インドでの仏教の発祥から、日本での仏教の変化、そして「葬式仏教」と呼ばれるに至った経緯までがとても分かりやすく説明されている。
「仏教」の基本を学ぶには、とても良い1冊だと思う。
仏教の基本的な教え、「人のためになることを続けていけば悟りが開ける、そして自分の自信にも繋がる」という考え方はとても共感できた。
まさに今流行っているアドラー心理学にも通ずる部分があるように感じる。
最近かなり余裕が無く、あまり実行できていなかったので改めて意識していきたいと思った。
聖徳太子が国をまとめるために仏教を取り入れた話、キリスト教を禁止するために檀家制度を導入した話、時として国に影響を及ぼす「宗教」の影響力を改めて感じた。
人の根本的な考え方そのものに影響を与える宗教は、人を救うこともできる一方で、使い方を誤ると恐ろしい結果になると思う。
日本人は確固たる信じる宗教が無いため、何となく心の拠り所を失っている気がする。
そのため、どうしても他人の目が物差しになる。
テーマ的には、遠藤周作さんの「海と毒薬」に近いかなと感じた。
経済的に豊かにも関わらず、自殺率が高い原因もそこにあるような気がしてならない。
心を豊かにするため、今一度宗教との向き合い方について考える時期が来ているように感じる。
自分が何と無く宗教に興味を持ってしまうのも、どこかで救われたいと思っているのかもしれない(笑)
この本とは直接関係ないが、ランニング中にオーディオブックとして聞くなら、小説よりも知識を目的とした実用書の方が良い気がした。
小説は、本として読む方が自分のペースで雰囲気を味わいながらより楽しめる。
実用書であれば、オーディオブックとして流してるだけでも何となく情報が入ってるのでとても良い感じ。
- 感想投稿日 : 2017年8月26日
- 読了日 : 2017年8月21日
- 本棚登録日 : 2017年8月21日
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