自律心の弱い普通の人達がたくさん描かれている。
面倒事を遠ざける ことなかれ主義の人々。
悪しき前例に身を委ねる歴代刑事部長。
罪に向き合わない加害者。
よくないと判っていること、やらなくちゃいけないこと。
それを問い詰められるのが嫌で 逃げ回り、忘れる。
そして保身。
けれど、被害者は忘れない、忘れられない。
娘を殺害された父親と、犯人を取り逃がした男たち。
世の中に忘れられた被害者と、それを15年間忘れられなかった男たちの執念の物語。
ことの経緯を淡々と綴る前編と、事件解決へ向かう後編。
やるせなくて重苦しい前編の方が見応えがあった。
物語の結末では真相が明らかにされ、主要人物達の微かに明るい未来を予感させる。
だが、どこまでいっても殺された娘は戻らない やるせなさが余韻として残った。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
サスペンス
- 感想投稿日 : 2017年9月20日
- 読了日 : 2017年9月20日
- 本棚登録日 : 2017年9月20日
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