図書館の児童サービス担当になって、
児童書にかかわる人にすすめられる事が多かったうちの一冊。
「実は読んでません…」と小さい声で言い続けていたのが、
この正月にやっと読めた。
両親に愛されず、ひねくれて育った女の子メアリー。
物語の始まりのころ、インド人の召使いに投げつける言葉は本当に憎たらしい。
しかし両親の病死をきっかけに、イギリスの伯父のうちに引き取られ、
秘密の庭や、皆に愛される少年、またかつての自分とそっくりにひねくれているいとこと出会ううち、明るく前向きに成長していく。
でも、あらすじを追っても、良さは伝わらない。
細かく丁寧な物語の描写はメアリがなぜひねくれた子どもから皆に愛されれる子どもになったのか、周りの大人たちがどんな風に子どもたちと接したのか、読み手に分かりやすく伝えてくれる。時に挟まれるバーネットの深い言葉も合わさって、生きて人と関わる喜び、人生の希望といった素晴らしい宝物を、子どもたちは見つけていくのだと思う。
子どものときに出会っていたかった素晴らしい本。
よく、子どもの本の選び方で、
「名作のあらすじだけを追ったダイジェスト版」はよくない
と言われるわけを実感した一冊だ。
不朽の名作!!
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
児童書
- 感想投稿日 : 2011年1月2日
- 読了日 : 2011年1月2日
- 本棚登録日 : 2011年1月2日
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