- Amazon.co.jp ・マンガ (444ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091818041
作品紹介・あらすじ
▼第1話/リヒァルト▼第2話/証拠の品▼第3話/白日の下に▼第4話/ただ一つの事件▼第5話/ヨハンへの旅▼第6話/処刑▼第7話/ある決意▼第8話/ライヒワインの日々▼第9話/白日の下へ▼第10話/立証可能▼第11話/パーティーのあと▼第12話/聖域▼第13話/子どもの情景▼第14話/人類の財産▼第15話/闇の果て▼第16話/光を当てろ▼第17話/私はテンマ▼第18話/名なしのヒーロー
●主な登場人物/天馬賢三(元脳神経外科医。無実の罪に追われながら“ヨハン”を追う)、ヨハン・リーベルト(ミュンヘン大学生。テンマが命を助けた双子の兄)、ニナ・フォルトナー(“ヨハン”の双子の妹で、兄を抹殺しようとしている)
●あらすじ/かつて、敏腕刑事としてその名をはせていたリヒァルト。だが、勤務中に泥酔し、連続殺人犯を射殺してしまったことから、職も家族も失っていた。現在は、精神科医であるライヒワインのカウンセリングを受けながら、過去から立ち直ろうとしていた。しかし、彼は射殺してしまった連続殺人犯のことがいつまでも気にかかり…(第1話)。▼ミュンヘン大学生のカールは、週に1回、実の父であるシューバルトのもとでラテン語の本を読むアルバイトをしていた。ある日、シューバルトに朗読を褒められたカールは「ヨハンに教わっている」と告げる。そして「ヨハンが実の息子だったらどうするか」と尋ねた。滅多に笑わないシューバルトが微笑むのを見たカールは、ヨハンに嫉妬を覚えて…(第2話)。
●本巻の特徴/リヒァルトが刑事時代に追っていた3件の殺人事件は、“シューバルトを孤独にする”というものであった。このことを突き止めたリヒァルトであったが、突然変死してしまう。一方、ヨハンは学生でありながら、シューバルトに近付き、片腕にまでのし上がり…。
●その他の登場人物/ハンス・ゲオルグ・シューバルト(“バイエルンの吸血鬼”と称される富豪)、Dr.ギーレン(テンマの学生時代の友人で、精神科医。テンマの無実を信じている)、リヒァルト(元刑事の私立探偵。ヨハンの謎を追うが、変死)、ライヒワイン(リヒァルトのカウンセリングをしている精神科医)、カール・ノイマン(ミュンヘン大学生。実はシューバルトの私生児)
感想・レビュー・書評
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ヨハンの真実に近づくライヒワイン先生とDr.ギーレン。
テンマとギーレンの間だけに通じるメッセージ。
少しずつ繋がる点と点。間に流れる不穏な影。
相次ぐ子供たちの命を懸けた危険な遊び。
"生き返ったら、外に出てごらん。
世界が変わっているよ…"
恐怖の先にある更なる暗い闇。
なまえがほしくてほしくてたまらない"かいぶつ"
をまっすぐ目指すテンマ。
「怖いものなんかなくならない。だから大人になるんだ。」
どんなに真っ暗な闇の中でも、テンマには光であってほしい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
点と点だった事件が繋がりだして線としてヨハンへの包囲網を生み出すが…それでもなお、雲を掴むような存在であり続ける用意周到さもさることながら自身に向けられる殺意の刃すらも手玉にし、ゲームのように楽しむ様には絶対悪という明確な悪ではない子供のような悪いことを悪いと認識する前の倫理観でいて無垢なままに悪戯のように人を操り、葬り、そこに築かれるのは骸の数々。だから、彼はただ蟻の行列を弄っているに過ぎないのは言い得て妙とも言える。芥川龍之介の歯車であった「光のない暗(やみ)」という一文は彼にあるようなものですな。
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うーん。引き伸ばしにかかってるような。
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約20年振りに読んだが、今のマンガより遥かに面白いことが不思議に感じた。浦沢直樹を知っている人にとって今のマンガは物足りない。
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好々爺に変貌 ただの奉仕精神だけで 蟻の行列を弄る 蔵書寄贈セレモニー ヒーローの考えることは難しいからね チェコ語の絵本
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読了
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アートディレクション/海野一雄
デザイン/小林美樹代+ベイブリッジ・スタジオ -
病院内での白い巨塔(権力闘争)、猟奇殺人、医療倫理、幼児虐待、東西冷戦構造…。重いテーマと重いミステリーを絡めに絡めた、深い深い物語。これぞまさに大人の知的好奇心をくすぐる漫画と言えるのではないでしょうか。緻密な構成と格好良すぎの一話一話の終わりかたに、改めて全18巻を読み返すたびに唸らされます。
物語に直接は関係ないけれども、グリマーさんの一言「夜のプラハの街って、まるで、おとぎの国みたいだ」が、やたらと印象的です。 -
ルンゲは有能なはずなのにいまだに犯人ではないテンマを追っています。
それだけヨハンがすごいということでしょうか。