- Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582800555
感想・レビュー・書評
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ロシア、シベリアでの冒険。
黒澤明の映画の原作?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
軍事的な背景があったと言えど、ロシアにとっての未開の地を丹念に歩き、地理、動植物、民俗的見地からさまざまな調査を行った貴重な記録は一読に値する。また、著者の、デルスウに対する崇敬の思いや、人となりの温かさが端々に伝わってきて時に感動的ですらある。
固有名詞や民族、地名など多種にわたり、面倒であったかと想像に難くないが(読み解くのも大変だったが)、翻訳に腐心してくださった方がたにも頭が下がる。 -
「あなたの本を私は大きな楽しみをもって読みました。疑いもなく重要な科学的価値については言うまでもなく、私はその表現力にひきつけられたのです」
というゴーリキーの一文から始まるのは、先住民の知恵を手がかりに、シベリアの厳しい大自然をゆく、長き旅路である。
ゴーリキーの指摘通り、19世紀後半から20世紀にかけて生きたロシアのアルセーニエフが、士官、探検家、博物学的興味、そして文筆家として、その魅力を発揮したのが本書である。シベリアの沿海州のタイガを、先住民族であるナナイ族の孤高の猟師・デルスウ・ウザーラと共に探検していく。アルセーニエフはロシア人でありながら、原住民の知恵や思想を敬い、記述していく姿は非常に貴重である。
この地域には、ウデヘという先住民族もおり、行く先々でウデヘや、ウデヘから「搾取」している中国人の姿が描かれており、とても興味深い。というのも、ウデヘやナナイといった先住民族は、現在ではほとんど絶えてしまっているからだ。本書では、貨幣や詐欺行為に免疫のない(デルスウや)ウデヘが、悪徳中国人の借金地獄の罠にはまり、女性を奪われ同化政策に埋もれていく姿があった。
本編では、アルセーニエフの背景が記述されていなかったが、あとがきを読むと、なぜアルセーニエフが士官でありながら、一隊を率いてタイガを探検できたのかが明らかになる。当時のロシアでは、狩猟や密林歩き、銃の扱いに長けた志願兵を「狩猟部隊」として、普段は自由に山野を歩き回らせ、有事には偵察や道案内に活用したという。このような「山野歩きのプロ」である兵たちですら、先住民の知恵には及ばなかったということを知ると、アルセーニエフの先住民への敬いに頷けるであろう。 -
渋谷東急の丸善・ジュンク堂にて
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◆きっかけ
『星野道夫著作集5』(p269 単行本未収録作品 自然写真家という人生)で星野さんが学生時代に読み影響されたとあって。2016/10/5 -
この人いい人。明日は晴れる。
人にとって文明化とは良いことなのだろうか。 -
デルスウが、インク壜のことを〈きたない水〉と言う場面に笑った。
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実録の紀行文であるが、それ以上に民族誌的
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自分も一緒にウスリー地方の密林や海岸や川谷を歩いている気になった。長い探検だったようだ。読むのも2週間以上かけてゆっくりだった。