発達障害と向き合う (幻冬舎ルネッサンス新書 た-6-1)

著者 :
  • 幻冬舎ルネッサンス
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感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784779060618

感想・レビュー・書評

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  • 複数ある発達障害に関する本の中で、大分読みやすい本だと思う。発達障害の人の考える経緯が書いてあるし、子供~大人まで、幅広く対応している。
    自分自身、当てはまる項目が多すぎる…。

  • がっつり引き込まれました。

    「発達障害とは何か」の考察が、丁寧でわかりやすかったです。
    聴覚的短期記憶の障害、という認識は今までなかったので、示されてみて「そうか、なるほど」とすっきりしました。

    多くの学びが得られる一冊ですが、中でもADHDの反社会的行動への移行についての説明が、特に参考になりました。
    不注意、多動性、衝動性が具体的にどのように変化していくのかが示されることによって、早めの対応がいかに重要であるかが理解できました。

    ひとつひとつの考察が丁寧で、私にはとても受け取りやすい構造の説明でした。参考文献をもとに、より学びを深めていきたいと思います。

    学校で子どもたちとかかわる大人の方にはぜひともオススメしたい一冊です。

  • 発達障害の新書なら、入門として入りやすいかと思い、手に取りました。著者は、長年教師として教育現場に立ち、生徒指導をしてきた方だそうです。
    本の中で気になったのは、「アメとムチ」で発達障害の子供に対応しては逆効果で、「アメとムシ」で対応するべきであること。また、少年犯罪と発達障害の関係性など興味深い内容が完結にまとめられていました。入門書としては、おすすめです。

  • 発達障害について大変分かりやすい記述で、勉強になった。同じく発達障害のある人とかかわっていく時に感じる事や、その周辺で感じる事をサクッと表現してあり、共感が持てた。全く知らない人にも分かりやすい内容になっているのではないだろうか?

  • これは社会にいる「理解できない人」を知るための翻訳書である
    「ワザとではない」んである。

  • とても、しっくりくる内容でした。
    「学ぶ力がない子どもたち」の章で、聴覚的短期記憶に課題のあるケースについて書いてあります。
    こちらが指示をしても、ぼーっとしている子の中には、このケースがあると感じました。
    僕自身、多くのことを一度に言われると、何を言われているのか分からなくなることが良くあります。だから、会議は好きではありません...、これはちょっと違いますね(^^)

    人には凸凹がある、と良く言いますが、凸凹に合わせた対応も心がけなければならないのでしょうね。

  • 発達障害について書かれた本は様々なものがあるが、読んではいけない本。発達障害者=犯罪者という誤った認識(偏見)を拡散している。著者は元教員であり、精神医学や心理学、発達の専門家ではない。

    「発達障害は、チェックリストを使えば簡単に見分けられます」(p.38)など、医療従事者ならば絶対に言わないようなことを軽々しく自信満々に述べ、「人間にとって最も基礎的で重要なのは、耳で聞いてほんの少し覚えておく(中略)『聴覚的短期記憶』」(p.74)と断言するが、その根拠となっているのは単なる(学部生が記憶について学ぶような)記憶の分類という基礎知識。分類を眺めるとなぜそれが「最も重要」だということになるのか??

    さらには、ここが最も噴飯ものなのだが、「ADHDからくる反社会性の進行は、不安定な対人関係や衝動的行動を特徴とする反社会性人格障害を誘発」(p.106)、「ADHD・ODD・CDは、対応しなければ、必ず、ADHD→ODD→CDという悪化の一途をたどってい」(p.111)くと述べる…
    …要は、ADHDは犯罪予備軍だから早期に発見して早期になんとかしなきゃいけないというのがこの著者の主張。こういう人権意識の低い方が、教員で、特別支援学級を受け持っているということに絶望する。

    ADHDを知らずに大きくなって、別に非行化もせず、問題行動もおこさず、もちろん犯罪とは無縁の人生を送っている人なんかいーーーーーーっぱいいるっての。

    これを読んで、「ウチの子、やばい!」ってなって変なこといっぱいさせたり隠したり認めなかったりする親や、「あいつやばい」って避けたり変な目で見たり治させようとしたりする周りが生じることの方がよっぽど恐ろしい。
    こういう本は読んではいけない。発禁にしてもいいと思う。
    こんな本を出版する幻冬舎をどうかと思う。

  • 教師らしく落ち着いた内容。

  • 2012年刊。
    著者は特別支援学校勤務の特別支援教育士スーパーバイザー。


     本当に久々の発達障害関係本。
     症状の外形的表れ方でアスペルガー症候群とも、注意欠陥多動性障害とも、自閉性スペクトラム症候群とも称される発達障害。
     脳機能の先天的障害に起因する本症候群につき、著者は、「聴力的記憶(短期の記憶)の機能不全」と見て解説を加えていく。

     この点、本書の診断方法や各種症候群の解説に特に異論はないのだが、新書で子供の教育問題から「大人の発達障害」、その社会的対応策まで議論するのは、風呂敷を広げ過ぎの感が強い。
     これでは療育現場を俯瞰してみることのできる特別支援学校の勤務歴が活きてこない。


     加えて、後半は、社会制度の議論ではなく、関係構築の対処方法という体験談的な叙述に止まっているのが残念だ。


     もっとも、アスペルガー症候群を含め、これら広汎性発達障害に罹患する人々に対する、社会的認知の誤謬を多少なりとも正すには、こういう書が不可欠なんだろうなぁとも思う。
     本書の叙述の誠実性は買いだからだ。


     個人的には、頭頂葉の機能不全、入力情報の選別の困難性(例えば、賑やかな繁華街や電車内で、知人の声を聴き分ける力)が、通常の記憶容量を遥かに超える情報入力を来した。
     結果、海馬を含めた記憶(特に短期)の作業を、それこそ乳児期から行い得なかった結果、記憶の力の成長を妨げられてしまったことが障害要因という印象を持っている。
     そういう意味で、聴力的な記憶力に問題があって、それが学習や関係性構築の困難を招来しているとの著者の目の付け所は納得のそれである。

  • 子供との関わりを改めて見直したい

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著者プロフィール

昭和34年広島県出身。広島大学総合科学部、法学部卒業。広島修道大学法学研究科修了。広島市立大学国際学研究科博士後期課程満期退学。特別支援教育士スーパーバイザー。特別支援教育専門家チーム委員。教育委員会主任指導主事、特別支援学校勤務を経て竹内発達支援コーポレーション設立、同社代表を務める。講演、相談、就労支援、学校・施設・企業へのコンサルテーションを行う。『発達障害を乗りこえる』(幻冬舎ルネッサンス)、『障害のある子どものための算数・数学(量と測定)』(東洋館出版社)[共著]。

「2014年 『実践 発達障害を乗りこえる 自分らしさを見つけて育むワークノート』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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