半島へ、ふたたび (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2011年12月24日発売)
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感想 : 17
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拉致被害者の蓮池薫さんが日本帰国後に初めて韓国に渡ったときのルポである。後半は蓮池薫翻訳業に転進する時のあれこれを書いている。今年の正月、やっと文庫化されたので買って読んでみる。

たった8日間のソウル旅行で一冊の本を書いているわけだが(私のこの前の韓国旅行と同じ日数)、内容は全く違う。正直たいへんおもしろかった。

ソウルを旅しながら、長かった北での拉致生活を思い出す旅になっているということもある。それと、おそらく私とはまったく別の性格をしていて、きちんと調べなくては気の済まない人らしく、初めての韓国旅行の一日目(半日しかない)が一番記述が多い。その一つ一つに私は眼からうろこの部分があったり、私よりもホントよく見ているなあ、という部分があったりした。

日本よりも携帯普及率が進んでいる韓国で、公衆電話が目に付くのは何故か。なぜ大型書店では立ち読みを奨励しているような椅子を並べたスペースがあるのか。アメリカ大使館の厳重警戒の理由。戦争記念館の発するメッセージ。朝鮮戦争に対する北と南との見解の相違。ダルトンネのなりたち。北での稲の密植の話。西大門刑務所に張られたメッセージについて。

今度ソウルに行ったときに、確かめてみたいスポットがたくさんできた。有難いと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: は行 ノンフィクション
感想投稿日 : 2012年3月14日
読了日 : 2012年3月14日
本棚登録日 : 2012年3月14日

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