ペストが蔓延する村で、己のできる限りの力で生きていくアンナの話。
ジェラルディン・ブルックスのストーリーテラーっぷりときたらもう!
そしてこの人は人間の書き方が非常に巧み。
読んでいてその世界の中にすっと溶け込んでいく感がある。
静かな筆致が描く状況は悲惨極まりないのだけど、ただアンナの生き方に目を奪われてそれをあまり感じない。
むしろアンナの人生の方が壮絶に思える。
生と死、諦め、母として女としての感情、嫉妬、友情、信仰、恐怖、失望。
多くのものを綯交ぜにして、先に進んでいくアンナに女性としての強さを感じる。
日本で訳出された3作の中ではこれが一番好きだ。
読書状況:読み終わった
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外文
- 感想投稿日 : 2012年5月21日
- 読了日 : 2012年5月21日
- 本棚登録日 : 2012年5月21日
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