ポールオースター編集の、アメリカで募集した、人々の実体験の一片をまとめたショートショート集。
読み始めて幾つか衝撃を受けたことがあった。まず、本書はアメリカで、ということがテーマの根底にあるため、感性もアメリカに類すること。そして文章は執筆に対して殆ど素人の寄せ集めを翻訳したものなので、特別読みにくいものはないが、うっすらと原文の個性が浮き出ていること。本書に記されているストーリーは、事実に基づいているものであるがゆえに、決して共感を得るためにあるものではないということ。
そのために読むことに疲れたり、飽きたりすることもあった。正直引っかかる話しは少ないと思う。でも、その中にある残りの少数のストーリーは、フィクションでは取り扱えない、取り扱わない、その必要がない、しかし希少で良いものも間違いなく詰まっていた。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2014年3月14日
- 読了日 : 2013年12月2日
- 本棚登録日 : 2014年3月14日
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