くーねるまるた (10) (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

著者 :
  • 小学館 (2016年10月28日発売)
3.56
  • (5)
  • (16)
  • (18)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 200
感想 : 12
5

ついに、このグルメコメディも(10)、大台に乗ったか!!
でも、驚くほどのコトじゃないな
こんだけ面白くて、読み手のお腹を空かせる事が出来る漫画なんだから、(10)に到達しない方がおかしい
これからも一読み手として支持し続けるので、(20)まで頑張って欲しいもんだ(しかし、私がこの手のコメントを下手に書くと、ギリギリで届かないってパターンがあるので、結構、デカい不安が胸の中にあったり)
並みの漫画だと、(10)に至るまで、マンネリ感が漂い出し、惰性で描いてるのかな、と読み手に思われそうになるもんだが、この『くーねるまるた』に関しちゃ、だらだらしている感じはない
正直に言えば、巻を重ねる度に成長している、とは言えないのだけど、質が唐突に落ちている訳でもないので、問題なし
日本で暮らす外国人の日常、そのテーマを基盤に、日本食とポルトガル料理の調和を主軸にしているのが、この『くーねるまるた』
日本の美味しい食べ物を、ポルトガル人であるマルタが食べ、美味しそうなリアクションをすると、ホント、嬉しくなる。やっぱ、日本食って凄い
今更ながら偉そうに言う事でもないが、基本的に、ストーリーはほのぼのとしているのだけど、時おり、フッと現れるシリアスな面がスパイスを効かせており、作品に安定感を与えている
外国人が日本で暮らす、それは「楽しい」だけじゃない。毎日、笑顔で暮らせていても、ふと、自分はこれから、どんな風に生きていくべきなのか、身の振り方を考えねばならない瞬間がやってくる。そこを誤魔化さず、漫画としてのリアリティを保ちつつ、丁寧に描いている高尾先生、イイなぁ
どの回もお腹が空いてくるものばかり。個人的な食と話の嗜好でお勧めさせていただく。食べ物では、第143話「桜の頃」の牛肉の桜チップ燻製だ。まだまだ寒いからこそ、桜の開花が待ち遠しい。桜を愛でながら、この牛肉の桜チップの燻製を堪能する、春にやりたい最高の贅沢だ。ストーリーで選ぶなら、第150話「夜間行軍#2」だ。(11)への引きが実に巧い。この手の美味しいトラブル(?)を引いちゃうマルタ、持ってるなぁ。きっと、マルタはこの二人とも、何だかんだで友情を築き、旅を楽しんじゃいそう。彼女の最も素晴らしい才能は、もしかすると、ここかもな
この台詞を引用に選んだのは、先にも書いたが、読み手の空腹感を強烈に掻き立てるからだ。こんな最高のリアクションをされたら、食べたくなっちゃうじゃないか、氷り出しの新茶茶漬け。お茶漬けをかっこむ美女ってエロくね?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: コミック(小学館)
感想投稿日 : 2017年1月24日
読了日 : 2016年12月11日
本棚登録日 : 2016年10月28日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする