一の食卓 4 (花とゆめCOMICS)

著者 :
  • 白泉社 (2016年11月4日発売)
3.54
  • (6)
  • (14)
  • (17)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 196
感想 : 10
5

ホント、「読ませてくる」なぁ、この漫画
歴史モノとして、食系としても十二分に楽しめ、しかも、そこに淡い恋模様が織り交ざっても、全く、良さが濁らない
巻を重ねる度に、樹先生が経験を積んだ漫画家である事を実感する
烈しい戦いに身を投じていた頃の、“新選組”ではなく、戦いに勝つ事も負ける事も出来ずに<その後>を迎えてしまった、斎藤一を筆頭にした面々が登場しているトコが、この『一の食卓』のミソであろう
血塗られた刃で敵を切るたびに失っていた自分の人間らしさを、明らとの暮らしの中で少しずつ戸惑いを覚えながらも取り戻していき、イイ変化の兆しを得ていく一
そんな一の鈍さに翻弄されながらも、心を自然と惹かれていく明も、ただ故意に恋するか弱いヒロインなんかじゃなく、自分が「やり遂げる」と決めた事を、全力以上で頑張る芯の持ち主だ
パン種と永倉の弟の事件は解決し、フェリパンには一時の平穏が
次の難題が舞い込むまでの間、少しでも、一と明の仲が進展すればいいとは思うが、先にも書いた通り、一は鈍感すぎるし、明は明でいざって時、なおかつ、一相手だと、持ち前の度胸が萎んじゃうトコがあるので、そう簡単には行かないだろうな。まぁ、その見ている側がヤキモキさせられるくらいの方が面白いのだけど
しっかし、やはり、フェリクスさん、食わせもんだわ
この(4)の見所は、過去編、新選組が新選組になる前の話でもある
新選組の中でもトップの座を争うほど、優れた剣の才能を持つ一と総司の初対面と第一印象が、こうも最悪なモノだったとは・・・・・・
また、一を恋い慕う藤や、山口家のゴタゴタの動きも、次巻を待ち遠しく感じる理由になっている
樹先生は、どう、新選組結成を描くのか、楽しみだ
この台詞を引用に選んだのは、一のカッコ良さが滲み出ているからだ。明を一人の少女ではなく、自分の職務に本気を懸けられるプロと認めているからこそ、無茶をしようとする彼女を優しさと厳しさが両立する態度で見守る事が出来るんだろう。また、彼女がそれに集中できるよう、雑事を片付けるのに、自身も手を抜かない点もさすがだ

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: コミック(白泉社)
感想投稿日 : 2017年2月3日
読了日 : 2016年12月11日
本棚登録日 : 2016年11月4日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする